記録的四半期業績でマイクロンの株価が大幅上昇!AI需要が火をつける

  • 2024年3月21日
  • 2024年3月21日
  • BS余話

2024年2月末に終了した会計年度第2四半期の業績が予想を大幅に上回ったことを受け、メモリーチップメーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)の株価が、3月20日のアフターマーケット取引で急騰しました。マイクロンの株価は、アフターマーケットで18.18%高の113.75ドルを記録しました。

マイクロンは、世界をリードするメモリーチップの提供者の一つです。エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズのように、AIの計算力を提供するプロセッサを製造する半導体メーカーとは異なり、マイクロンは生成AIアプリケーションの巨大なメモリ需要から間接的に恩恵を受けています。

マイクロンは、今後数四半期にわたって、「高帯域幅メモリ」(HBM)への需要が急増すると予想しています。HBMは、データ処理速度を向上させるために複数のDRAMチップを組み合わせた部品です。さらに、AIサーバー、AI PC、AIスマートフォン向けメモリーへの需要の増加も見込まれています。

マイクロンが3月20日に発表した2月期の売上高は58億2000万ドルで、前年同期比58%増となり、会社予想の53億ドルを大きく上回りました。調整後ベースでは、1株当たり42セントのサプライズ利益を計上しています。一般に公正妥当と認められた会計基準では、1株当たり71セントの利益となります。非GAAPベースの売上総利益率は20%で、会社予想の13%を大きく上回りました。マイクロンは、同社の予想を四半期前倒しで黒字化したと述べています。

来期である5月四半期について、マイクロンは66億ドル(プラスマイナス2億ドル)の売上を見込んでおり、調整後の利益は1株あたり45セント(プラスマイナス7セント)を予想しています。ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想では、売上高は59億8000万ドル、利益は1株あたり8セントとなっていました。

CEOのサンジャイ・メロートラ氏は声明で以下のように述べています。

マイクロンは第2四半期決算で、売上高、売上総利益率、EPSがガイダンス範囲の上限を大幅に上回った。当社の卓越した製品ポートフォリオにより、2024年度下期は好調な業績が期待できまる。マイクロンは、AIが可能にする数年にわたるビジネスチャンスにおいて、半導体業界で最大の受益者の1つであると確信している。

また、アナリストとの電話会議の中で、メーロトラ氏は、NANDとDRAMチップの両方で需給バランスが引き締まったため、同社は「堅調な価格上昇」を見たことを指摘し、これは、「AIサーバーの旺盛な需要」を含む複数の要因を反映したものだと述べています。アナリストが予想していた通り、AIアプリケーション向けHBMの需要が「急速に伸びている」ことを同氏は認めています。

メーロトラ氏はまた、2024年を通じてNANDとDRAMの価格がさらに上昇すると予想する一方、2025年度には過去最高の売上高「収益性の大幅な改善」を見込んでいるとも述べました。

(これは)この破壊的技術がビジネスと社会のあらゆる側面を変革するためだ。汎用人工知能(AGI)を創造するための競争が始まっており、そのためには数兆ものパラメータを持つモデル・サイズがますます大きくなり、その結果、より多くのメモリが必要になる。

と同氏は現状を分析しています。

メーロトラ氏は、2024年のデータセンター・サーバーの出荷台数は、AIに牽引されて1桁台半ばから後半に成長すると予想しています。同氏は、マイクロンのHBMの供給は2024年暦年で完売しており、2025年の供給の大半もすでに割り当てられていると明らかにしています。同社のHBM3EチップがエヌビディアのH200 Tencor Coreチップに採用されており、複数の顧客からの追加プラットフォームでの認定に向けて「前進している」とのことで、2024年度にはHBMから「数億ドル」の売上が得られると述べています。

*過去記事「マイクロン、AIで次のステージへ:株価150ドルの大台に挑戦

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