エヌビディア:市場を席巻する圧倒的な粗利益率76%の背景

エヌビディア(NVDA)は2月21日、会計年度第4四半期の決算を発表しました。この報告によると、同社は特にデータセンター事業において顕著な成長を遂げています。前四半期と比較して売上と利益が400%以上も伸び、エヌビディアの市場における強力な地位がさらに固まったことが明らかになりました。しかし、何よりも注目すべきは、会計年度第4四半期に記録した76%にも上るGAAP粗利益率です。これは前年同期の66%から大幅に上昇した数字であり、エヌビディアは、現在進行中の四半期も同程度の利益率を維持すると予測しています。

この利益率は、半導体業界全体で見ても非常に高い水準です。実際に、直接チップを販売しないアーム・ホールディングス(ARM)に次ぐ高さで、チップ設計のライセンス供与のみのアームが93%の粗利益率であることを考えると、エヌビディアの数字は極めて優れていると言えます。これは、エヌビディアが物理的な製品の販売に伴う在庫やサプライチェーンの管理など、追加のコストを負担しながらも、高い利益率を実現していることを意味します。

競合他社との比較では、エヌビディアの76%という粗利益率は、インテル(INTC)の46%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の40%と比較しても際立っています。エヌビディアがどのようにしてこれほど高いマージンを達成しているのかというと、その理由は製品の複雑さと市場における継続的な高い需要にあります。エヌビディアのHopper GPUは35,000もの部品で構成されており、これは同社の製品が単なる半導体ではなく、高度な技術を要するAIスーパーコンピューターであることを示しています。

エヌビディアの製品は平均で約30,000ドルで取引されており、最近のサプライチェーンにおけるコンポーネントコストの有利な状況が、直近の四半期において同社のマージンがピークに達する可能性を示唆しています。それでも、同社は今年度通期でも売上総利益率が70%台半ばになると予測しており、これは業界内でほぼすべての競合他社を上回る水準です。

エヌビディアは、Blackwellと呼ばれる次世代GPU製品の立ち上げを控えていますが、供給逼迫の問題がマージンに影響を及ぼす可能性があります。それでも、これまでの記録的なマージンは、エヌビディアが市場で独自の価値を提供し、顧客からプレミアム価格を要求できることを示しています。

エヌビディアはAIハードウェア市場でのほぼ独占的な地位を確立していますが、今後は新たな競争に直面する可能性があります。しかし、同社の製品に対する強い需要と高い利益率は、技術革新の最前線でエヌビディアが強力なポジション保持し続けていることを物語っています。

ウォール街はエヌビディア製品の需要動向に神経質になっており、投資家はブームが終わる兆候を探っていました。エヌビディアはこの先何年も成長の可能性があると話していましたが、今回のマージンの数字は、まさにそうしたエヌビディアの主張を裏付けるものであり、アナリストや投資家の懐疑論に冷や水を浴びせた形になりました。

エヌビディアの成功は、単にその技術力だけではなく、市場のニーズを的確に捉え、高度な製品を提供し続ける戦略によるものです。投資家にとって、エヌビディアの動向は引き続き注目の的であり、その将来の展開から目が離せません。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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