エヌビディアの株価急騰: バブルか、それともAIの力か?

2023年の米国市場で最も目を引く存在のひとつがエヌビディア(NVDA)であることは衆目の一致するところでしょう。人工知能(AI)ブームによって同社の株価は今年に入り3倍近くも上昇しています。しかし、ここに来て、その成長のペースがあまりに急すぎるのではないか、という懸念が広がっています。この記事では、エヌビディアの株価動向とその背後にある要因を詳しく見ていきます。

エヌビディア株価の急騰とAIブーム

6月21日の取引でエヌビディアの株価は1.7%下落したものの、それでもまだ430.45ドルという価格となっています。AI関連銘柄の高騰を巻き起こした昨年末のChatGPTの発表の影響は、エヌビディアにとって大きな追い風となっています。

さらに、先月末には、人工知能アプリケーションを実現するチップの需要が急増したため、エヌビディアは第2四半期の売上高がウォール街の予想を上回り、約110億ドルになる見込みであると発表しました。これにより、市場の高揚感はさらに勢いを増しています。

株価下落を予想するアナリストも

しかし、株価が短期間で急騰する事例は稀で、特に大企業であるエヌビディアがこれほど短期間で3倍になったことは、リンクスのアナリスト、KC・ラジクマール氏によって「投資家の期待がバブルのレベルに達している」と評されました。同氏はエヌビディアの株価の目標を360ドルと見ており、これは現在の430.45ドルから16%下落することを意味します。

2025年度のエヌビディアのデータセンター売上高について、ラジクマール氏は市場予想の36.8%増に対し、10%増と予想しています。これは、エヌビディアがデータセンター事業をすでにほぼ倍増させている一方、新たにAI業界に参入した企業がより安価な製品を提供してくるため、高価なエヌビディアの製品の競争力が損なわれると見ているためです。

調査会社ファクトセットの調べでは、ウォール街のアナリストの平均目標株価は445.38ドルとなっており、ラジクマール氏のような弱気派は少数派です。

しかし、ニューヨーク大学のファイナンス教授、アスワス・ダモダラン氏や、アーク・インベストのキャシー・ウッド氏も同様の見解を示しています。ウッド氏は、エヌビディアの約2万株(約800万ドル相当)を売却したと報告しています。

エヌビディア株価、その先は?

エヌビディアの株価は確かに高く、現在、今後12ヶ月の業績予想の52.3倍で取引されており、5年平均の39.4倍を大きく上回っています。この割高な評価が適正かどうかは、時間だけが回答できる問題かもしれません。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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