フェイスブック広告の料金が下落、メタの新たな問題に

米国の投資会社パイパー・サンドラーが、メタ・プラットフォームズ(META)が新たな問題に直面していると指摘しています。

同社の新しいリサーチノートによると、メタの中核事業であるフェイスブックの広告料が縮小し続けているとのこと。アナリストのトーマス・チャンピオン氏は、前年比で、フェイスブックの広告料金は、過去6ヶ月で減少しており、3月に15%、4月と5月にそれぞれ19%減少したようだと報告しています。

インスタグラムでは、1000インプレッションあたりの広告料金(CPM)が、年初は緩やかな上昇にとどまったものの、5月には15%上昇したそうです。

インスタグラムを含むメタ全体の広告価格は、5月までの1年間で前年比8%減と推定しています。5月のCPMは6%減で、4月の11%減から改善されましたが、これはインスタグラムの上昇に支えられたものです。

フェイスブックの広告料金は昨年6月に40%、7月に35%、8月に18%と急上昇しましたが、その後、アップル(AAPL)のアプリ追跡透明性プログラムが作動し、広告価格の急上昇は先細りになっています。

チャンピオン氏は、メタの第1四半期決算説明会でマーク・ザッカーバーグ CEOが第4四半期の説明会よりも「自信がある」ように見えたものの、同社は依然として、電子商取引支出の減少、インフレ、その他のマクロ経済問題、パンデミック後の経済再開による消費者のオンライン利用時間の短縮など「多くの懸念」に直面していると書いています。

チャンピオン氏は、メタの「ニュートラル」の格付けと目標株価220ドルを維持しています。

同氏は別のメモで、先週開催されたアップルの世界開発者会議(WWDC)ではメタにとって若干ポジティブなニュースがあったと書いています。それは、広告環境に影響を与える新しいプライバシーの取り組みに関して、WWDCではあまり多くのニュースがなかったということで、「プライバシーは基調講演では触れられず、これまでのカンファレンスとは一変した」と、過去2年の会議では新しい取り組みが発表されていたことと比較しています。

特に、IPアドレスやその他のデバイス、位置情報の信号に基づいてユーザーを識別するアプローチである「フィンガープリンティング」について、アップルが何の反発も示さなかったことをチャンピオン氏は指摘しています。

同氏は、アップルのApp Tracking Transparencyルールでは技術的に認められていないことを指摘した上で、アップルの変更が広告市場に与えた広範な影響を考えると、「アップルがフィンガープリンティングに目をつぶっている可能性もある」と付け加えました。

広告料金に関するチャンピオン氏の見解についてコメントを求められたメタ社の広報担当者は、同社が第1四半期の決算説明会で発表した広告環境に関するコメントを引用して答えています。

「第1四半期に、当社のサービス全体で配信された広告インプレッションの総数は15%増加し、広告単価は8%減少した」と、同社は電話会議で述べており、「この価格低下は、主に広告インプレッションが、より低いレートで収益化される地域やサーフェイスにシフトしていることに起因している」と説明していました。

*過去記事はこちら メタ・プラットフォームズ META

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