エヌビディア アナリストが目標株価を引下げ

サスケハナのアナリスト、クリストファー・ローランド氏は5月18日、エヌビディア(NVDA)の目標株価を320ドルから280ドルに引き下げました。ただ、格付けは従来のポジティブなレーティングを維持しています。

引下げの理由としてゲームチップ事業の低迷により、第1四半期は業績予想の大幅な上方修正や予想以上の増益が見込めない可能性があることを同氏はあげています。

経済の再開によって人々に娯楽の選択肢が増えたことが、ビデオゲームチップビジネスの減速につながったと同氏は述べています。

PCでビデオゲームをプレイするために設計されたエヌビディアのグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)の販売価格が下落しており、エヌビディアの最大の収益源の1つに近い将来リスクが存在すると同氏は見ています。

エヌビディアは、データセンター事業者が人工知能による大規模データワークロードを処理するために高性能グラフィックチップを購入するなど、高度なコンピューティングアプリケーションに対する需要急増の恩恵を受けています。しかし、ゲームは依然として同社の最大セグメントです。昨年のゲーム売上は124億ドルで、前年比61%増でした。

ゲーム売上の成長は、ゲーマーがより高価なGPUにアップグレードする傾向があるため、販売台数と平均販売価格の上昇のバランスから生み出されています。パンデミック時のチップ不足は、需要と供給のバランスを崩し、販売価格を高騰させました。エヌビディアのGeForce RTX 30シリーズやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のRadeon RX 6000シリーズの価格は2021年まで上昇傾向にありましたが、2022年に入り、下落に転じています。

ローランド氏によれば、エヌビディア のGPUの希望小売価格に対する上昇率は、2021年半ばの130%以上という最高値から1月には78%以上、現在は23%に低下しているとのことです。

ただ、ゲームのことを危惧しながらも、同氏はデータセンター部門の好業績を期待しており、ゲームよりも規模が大きくなっていると考えています。エヌビディア製品に対する健全な基礎需要は、ハイパースケールクラウドコンピューティングと人工知能のワークロードに牽引されている、と同氏は述べています。

エヌビディアのゲーム分野をめぐって警告を発したアナリストは、ローランド氏が初めてではありません。数週間前には、モルガン・スタンレーのリサーチアナリストも、ゲームの成長が減速する可能性について投資家に警告を発しています。

注目すべきは、サスケハナとモルガン・スタンレーがともに、エヌビディアの長期的な見通しについて強気であることです。エヌビディアの株価は2021年の史上最高値346ドルからすでに50%近く下落しており、投資家はすでに今年の成長鈍化を株価に織り込んでいるいるようです。

エヌビディアは、4月に終了した第1会計四半期決算の発表を5月25日の市場終了後に予定しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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