ショッピファイ 売上は今後5年間で急激に上昇と著名投資家が予想

Baillie Giffordの投資マネージャーであるゲイリー・ロビンソン氏は、電子商取引ソフトウェア企業であるショッピファイ(SHOP)は、世界中のマーチャントが商品を販売する手助けをする上で、競合他社よりもはるかに優れているという意見を持っていることを米国の経済誌バロンズが紹介しています。

同氏は、ショッピファイ社の長期的な展望に期待を寄せており、今後5年間で30%以上の売上増加が期待できると考えています。

「ショッピファイは、非常に強力な長期的成長が見込まれる優れたビジネスです。非常に長い期間、非常な速度で成長する可能性があります」と、同氏はバロンズのインタビューに答えています。

ショッピファイは、2021年12月31日時点で9,770万ドルの運用資産を持つ、Baillie Giffordの米国株式成長ファンドにおける最大の保有銘柄でもあります。スコットランド出身のファンドマネージャーであるロビンソン氏は、投資対象を5年から10年、時にはそれ以上の期間保有する傾向があります。最初にショッピファイに投資したのは2017年だったそうです。

ショッピファイのCEOであるトビアス・リュトケ氏は、2006年にオタワの会社を共同設立し、スノーボードのオンラインストアを開こうとしていました。当時のEコマースツールは「ひどいものだった」とロビンソン氏は言います。

優れたプログラマーだったリュトケ氏が、小規模な企業がオンラインストアを構築するためのツールを販売する方が、スノーボードを販売するよりも長期的には良いビジネスになると気づくのにそれほど時間はかからなかった、とロビンソン氏は振り返ります。

ショッピファイは、世界中の企業があらゆる規模の小売ビジネスを開始し、成長させ、販売し、管理できるように、決済プロセッサー、POSシステム、配送パートナーなどのツールを提供しています。ショッピファイは、決済、在庫、注文管理、配送、キャッシュフロー管理などの日常業務を自動化します。

小売業者はショッピファイを使って、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(FB)のフェイスブックやインスタグラム、さらにはTikTokのようなマーケットプレイスに接続し、消費者に販売することができる、とロビンソン氏は言います。ショッピファイは、サステイナブルシューズのオールバーズ(BIRD)やStaples Canadaなど、175カ国以上の数百万のマーチャントをサポートしています。

ショッピファイ社は2015年に1株17ドルで上場し、それ以来4,800%の上昇を記録しています。他の多くのハイテク株と同様に、1月は不安定な状況が続き、37%以上下落し、直近では854ドルとなっています。

ショッピファイは、ビジネスのデジタル化を引き起こしたCovid-19パンデミックの大きな恩恵を受けました。2020年第3四半期の売上高は96%増の7億6,740万ドルに跳ね上がりました。パンデミックが緩和されるにつれ、同社はゆっくりではあるが成長を続けており、2021年第3四半期の収益は前年同期比46%増となっています。

ショッピファイの商品総価値(GMV;プラットフォームを利用する加盟店からのすべての商品と売上を表す)は、第3四半期に35%上昇して418億ドルとなり、売上高は11億ドルとなりました。これは、ショッピファイが支援した取引の価値のうち、売上として残す割合を示すテイクレートがわずか2.6%であることを意味しているとロビンソン氏は述べています。

「驚異的な取引だと思います。彼らのマーチャントもそう思っています。だからこそ、彼らは大挙してショッピファイに集まってきているのです。」

ロビンソン氏は、同社が2021年に生み出したGMVは推定1,600億ドルで、今後5年間で30%の成長が見込まれると推測しています。ショッピファイは、アドビ・コマース、セールスフォース(CRM)、ビッグコマース・ホールディングス(BIGC)といったEコマースプラットフォームの競合他社に先んじている、とロビンソン氏は考えています。

アマゾン・ドット・コムはショッピファイの競合相手ではないと同氏は主張します。ショッピファイはどちらかというとマーチャント向けのOSであり、アマゾンはマーチャント向けのマーケットプレイスであるといいます。「少し重なる部分もありますが、異なる顧客にサービスを提供しています。」とその違いを表現しています。

今月、ショッピファイはJD.comとの提携を発表し、米国のマーチャントが、14億ドルの人口を抱える世界最大のeコマース市場である中国で製品を販売することを容易にしました。

同社は、2021年の最初の9ヵ月間で黒字を達成しました。ショッピファイは、長期的には健全な利益率を生み出す可能性がある、とロビンソン氏は言います。短期的な利益率の予測をしないのは、ショッピファイの経営陣が事業への再投資を続けているからだそうで、「我々は株主としてそれを非常に支持しています」と語っています。

*過去記事はこちら ショッピファイ SHOP

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