エヌビディア アーム買収が暗礁に乗り上げるも評価には影響なし

エヌビディア(NVDA)による400億ドル規模のアームの買収は、半導体業界史上最大の取引と言われていましたが、暗礁に乗り上げてしまったようです。

米連邦取引委員会(Federal Trade Commission)は12月2日、競争上の問題を理由にこの買収を阻止するよう提訴し、エヌビディアがソフトバンク傘下の英半導体設計会社を買収するという見通しはほぼなくなったと見られています。エヌビディアは買収を進めることを宣言していますが、この取引はヨーロッパと中国でさらなる調査が行われています。

FTCの提訴を受けて、シティバンクのアナリストは、この取引が成立する確率を30%から5%に引き下げています。

この買収について、アナリストは以前から悲観的でした。バーンスタイン・リサーチのアナリストであるステイシー・ラスゴン氏は「このニュースが出たとき、株価は反応しなかった」とマーケットはすでに折り込み済みであることを指摘しています。

ウェドブッシュのアナリストであるマット・ブライソン氏は先月、「アームの買収が完了するかどうかについての懸念は、株価にほとんど影響を与えていないようだ。アームの買収ができなくても、エヌビディアの勢いにはほとんど影響がないかもしれない」と述べていました。

想起すべきは、アームの買収が発表された時点では、いま話題のメタバース、そしてエヌビディアが創造に貢献している仮想世界の潜在的に有益な未来像について、投資家が考慮していなかったことです。

アームの買収計画が発表された以降、エヌビディアの株価は、データセンターやクラウドコンピューティング、人工知能、そしてもちろんメタバースを網羅した成長予測の波に乗って、1株120ドル前後から320ドルへと165%という驚異的な上昇を見せています。

投資調査グループCFRAのアナリスト、アンジェロ・ジーノ氏は、「今回のニュースは、基本的には、潜在的な取引の可能性に釘を刺すものだと考えているが(現在、買収の確率は10%以下としています)、規制面でのハードルを考えると、最初から成功の可能性は低いと考えていた」と12月3日に語っています。

エヌビディアの株価を「買い」と評価している同氏は、「投資の観点からは、このニュースは当社の推奨や目標価格に影響を与えるものではなく、多くの投資家は取引が成立するための課題を十分に認識していると思う」と述べています。

*過去記事はこちら エヌビディアNVDA

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