モデルナが16%ダウン 株価の下落は継続か?

  • 2021年8月12日
  • 2021年8月12日
  • BS余話

Covid-19ワクチンメーカーであるモデルナ(MRNA)の株価が急落しました。8月11日の終値は前日比15.64%減の385.33ドルとなっています。

モデルナの株価は、年初から先週半ばまで信じられないような上昇を見せました。

S&P 500の18.2%増、iShares バイオテクノロジーETF (IBB)の13.8%増、SPDR S&P バイオテック ETF (XBI)の11.3%減を上回る300%以上の上昇を記録していました。

7月下旬にモデルナが加入したS&P500の中で、これほどのパフォーマンスを示した銘柄は他にありません。次点のバス・アンド・ボディ・ワークス(BBWI)は106.1%の上昇で、立派な上昇率でありますが、モデルナの実績の前では色褪せてしまいます。

モデルナが決算を発表する前日の8月4日に時価総額は1,689億ドルになっていました。

これは、投資家が同社の価値を、市場価値が1,497億ドルの大手製薬会社ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)よりも高いと考えていたことを意味します。また、バイオテックの雄、ギリアド・サイエンシズ(GILD)の868億ドルの約2倍の価値がありました。

しかし、モデルナが8月5日に四半期決算を発表すると、状況は変わりました。

オッペンハイマーのアナリストであるハルタジ・シン氏とパイパー・サンドラーのアナリストであるエドワード・テンソフ氏の2人は、長年のモデルナの強気派でしたが、ダウングレードを行いました。

シン氏は「アウトパフォーム」から「パフォーム」に、テンソフ氏は、「オーバウェイト」から「ニュートラル」にそれぞれレーティングを下げています。

「1,700億ドルの時価総額(現在最大のバイオテック企業)を持ち、前年同期比で300%上昇しているモデルナの株価は、将来の膨大な経常収益とパイプラインの進捗状況を公正に評価している」とシン氏は書いています。

それ以来、市場はモデルナ株の安定した価格を見つけるのに苦労しています。8月9日に17.1%上昇した後、10日には5.7%下落し、そして11日、15.64%減と大きく下落しました。

バンク・オブ・アメリカのアナリストであるGeoff Meachem氏は、8月10日に発表したノートの中で、評価額は依然として不合理であると書いています。

この時価総額を正当化するためには、投資家は、同社がCovid-19ワクチンを年間15億回まで販売し、パイプライン全体の成功確率が100%で、ピーク時の総売上高が300億ドルに達すると仮定する必要があると、同氏は述べています。

Covid-19ワクチンのニュースは、ここ数日、モデルナにとってポジティブなものでした。

メイヨー・クリニックの医師たちは日曜日、ミネソタ州で実施された実地試験において、デルタ型の変異体が優勢である一方で、モデルナのワクチンの有効性はファイザー(PFE)のものよりも優れていたという研究のプレプリントを掲載しました。

また、少なくとも一部の人々に対するブースター投与の認可は、ファイザー社のものが最初になるとはいえ、ますます可能性が高まっているようです。

それでも、株価は下がっています。ベイクレスト・パートナーズのマネージング・ディレクターであるJonathan Krinsky氏は、11日に発表したノートの中で、ここ数日のモデルナ株の取引量が多いことを指摘しています。

「ブローオフのように見え、ブローオフのように感じられれば、それはおそらくブローオフである」と同氏は書いています。モデルナ株は今後数週間でさらに下降する可能性が高いと見ているようです。

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