エヌビディア 5GとAIが新たな起爆剤に

エヌビディア(NVDA)と言えば、ビデオゲーム関連とデータセンター事業の2つの部門を大きな収益源としていることで知られていますが、そこにもうひとつ5GとAI関連の需要が加わってきそうです。

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エヌビディアの5G関連の動きは、新しい無線規格である5Gがもたらす圧倒的な高速性を、人工知能(AI)の分野で活用することを目的としています。エヌビディアはこの分野で着実に前進しており、4月にはAI-on-5Gプラットフォームの開発のために多くの企業と提携することを発表しました。

エヌビディアのAerialアプリケーションフレームワークを搭載したこのAI-on-5Gプラットフォームは、5Gの高速通信を利用してエッジAIサービスの展開を加速することを目的としています。

エヌビディアは今回、同社のAerialプラットフォームの採用を促すために、いくつかの措置を講じました。「Aerialは、増大する消費者の需要に対応するための、高性能でソフトウェア定義のクラウド・ネイティブな5Gアプリケーションを構築するためのアプリケーション・フレームワークだ」と同社は述べています。

まず、アルファベットのGoogle Cloudと提携して、AI-on-5Gイノベーションラボを立ち上げたことを発表しました。エヌビディアは、このラボが提供するハードウェアとソフトウェアのプラットフォームを活用して、ネットワーク事業者やインフラ事業者が 「AIと機械学習を基盤とした新たなプロフィットセンターを生み出す」ことを支援することを目的としています。

このラボは、5GとAIをベースにしたスマート工場やスマートシティなどの展開を加速させることを目的としています。エヌビディアによれば、パートナー企業は今年の下半期にイノベーションラボを使ったソリューションの開発を開始するとのことです。

エヌビディアが行った2つ目の動きは、AI-on-5Gプラットフォーム「Aerial」のリーチを拡大するものです。Aerialは今後、x86プロセッサに加えてArmベースのCPU(中央演算処理装置)をサポートします。アマゾン、アリババ、マイクロソフト、オラクルなどの大手クラウドサービスプロバイダーは、サーバーにArmベースのチップを搭載しているため、これは賢明な動きです。注目すべきは、IDCの推計によると、2020年の第3四半期にArmベースのサーバーの売上が前年同期比で430%も急増し、続いて2021年の第1四半期には345%もの急増が見られたことです。

これらのことは、エヌビディアが、5Gワイヤレス技術とAIという、巨大な売上を生み出す組み合わせの交差点を利用する準備をしていることを示しています。フロスト&サリバン社によると、5G分野におけるAI、メモリ、パワーアンプ用半導体の市場規模は、2025年までに150億ドルに達する可能性があり、予測期間中の複合年間成長率(CAGR)は74%に達します。これは、昨年の5億3,700万ドルの売上から大きく飛躍することを示すもので、エヌビディアは巨大な触媒を手にしたことになります。

しかし、この5Gの機会がすぐにトップラインとボトムラインに貢献し始めるわけではありません。エヌビディアは、パートナー企業がAI-on-5Gイノベーションラボでの開発を開始するのは2021年後半、Arm CPUをサポートするAerial A100 AI-on-5Gプラットフォームが利用可能になるのは2022年前半であると述べています。

5Gがエヌビディアの財務に有意義な貢献をし始めるまでには、まだ時間がかかるということですが、今からそれを意識して投資に動いてもいいかもしれません。既存分野や自動車分野における長期的な成長など、それだけでもエヌビディアは今すぐにでも買う価値のあるハイテク株ですが、5Gという巨大なカタリストが登場すれば、その天文学的な成長はさらに拡大するものと思われます。

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