米国株取引の指標としてのインサイダー取引

こころみに「インサイダー取引」でググってみると、「やってはいけない」とか「取引禁止」といった否定的な記事のオンパレード。まるで犯罪あつかいです。

でも、真実は規制の対象となる取引ということで、決してインサイダーだから自社株の売り買いをやってはいけないということではありません。

米国はどうなっているかですが、こちらの記事が投資家目線でまとめられていてとても参考になります
合法なインサイダー取引情報を使って市場を上回るリターンを得る方法とは?

米国市場でのインサイダー取引は取引後2営業日以内にSECに報告することが義務付けられています。2003年6月30日以降は電子フォームで提出することが義務付けらるようになって、どこの会社のCEOがいくらで何株売ったなんていう情報が即座にネットをかけめぐります。

この記事を書くきっかけになったのも、こんなニュース。
Teladoc Health Inc (TDOC) CEO Jason N Gorevic Sold $8.1 million of Shares

テラドック(TDOC)のCEOが2月2日にTDOCの株式3万株を平均価格271.06ドルで売却して売却総額は810万ドルだったという情報が書かれています。

テラドックの会社概要、株式の状況の説明があった、そのあとにはCEOの最近の取引の情報、そしてその他の役員の最近の取引情報という具合。売った後株価がどうなったかなんてことも書き加えられていて、インサイダーの取引を何らかの指標にしようという意図が見えます。

もっと詳しく見たいと思ったら、GuruFocusというこの情報を追っているサイトに行くのがおすすめです。

たとえばテラドックですと、こちら
いろんなソートができるんですが、最近の取引状況をみると随分売りが増えていて、「えっ、売り抜けようとしてるの?」なんて株主目線では思ってしまいます(^^;)

GuruFocusはオープンマーケットでのインサイダー取引のみを追跡しているそうです。市場価格でのインサイダーによる自社株の売買のみが対象で、オプションの行使、市場価格以外での私募などの活動は、この情報には含まれていません。

指標としてこれでマーケットの動きをどこまで予想できるか、ですがまさにそのタイトルでGuruFocusが見解を書いています。
Can Aggregated Insider Trading Activities Predict the Market?

結論として書かれているのはこんな言葉

2004 年以降の最新のインサイダーデータを用いた我々の研究では、インサイダーは全体として自社の賢い投資家であるというこれまでの結論を明確に裏付けています。彼らは、市場が高いときにはより多くを売り、市場が低いときにはより多くを買う傾向があります。

インサイダーの活動の集計は、市場の底を見つけるための良い指標となります。

「うーん」ですよね(^^;)
まあ、まとめるとするとこんな表現になっちゃうんでしょう。未来を見通す水晶玉でないことは確かです。

個人的な経験では、20年前のドット・コムバブルの印象が強いです。上場したばかりのあやしげなサイトの創業者やCEOがすぐに持株を売却した、なんていう類のニュース。上記のテラドックの最近の取引の場合は、売却後も株価は値上がりしてますが、当時はこんなインサイダー取引情報が流れるといっきに株価が急落する場合が多く、ネガティブな情報として今より大きく報じられていた印象があります。

個人的には、興味深くはあるが、ちょっと頭の片隅にでも置いとくぐらいでしょうか。

興味がある方はGuruFocusで知りたい会社を検索して見ることができます。リアルタイムの情報はプレミアム会員にならないと目にできないそうですが、それ以外は未入会でも見ることが可能です。

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