AI投資の注目分野がGPUからCPUへ広がる可能性が出てきました。きっかけは、メタ・プラットフォームズ(META)が提供するAIエージェント「ミューズ」の急速な人気拡大です。
2026年9月21日のプレマーケット取引では、インテル(INTC)が5.6%、アーム・ホールディングス(ARM)が4.6%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が3.3%上昇しました。
市場が注目しているのは、ミューズそのものだけではありません。AIエージェントが一般消費者に普及すれば、AIモデルを動かす「推論」の回数が増え、それを支えるCPU需要も拡大する可能性があるためです。
ミューズが米国iPhone無料アプリで3日連続1位
センサータワーによると、ミューズは米国のiPhone向け無料アプリランキングで3日連続1位となりました。
AIエージェントはこれまでも存在していましたが、利用には一定の技術知識を必要とするものもありました。2026年に注目を集めたオープンソースAIアシスタント「OpenClaw」も、技術に詳しくない利用者には設定が難しい場合があるとされています。
これに対してミューズは、一般ユーザーが利用しやすい形で提供されています。
AIエージェント市場が本格的に拡大するためには、一部の技術者だけではなく、スマートフォンを使う一般消費者まで利用者が広がる必要があります。ミューズの初期人気は、その可能性を示す動きと考えられます。
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AIエージェント普及で推論需要が増加
AIエージェントの特徴は、ユーザーからの指示を受け、自律的に複数の処理を実行することです。
利用者が増え、1人当たりの利用回数も増えれば、AIモデルを実行する推論処理も増加します。その結果、AIサービスを支えるデータセンターでは、より多くの計算能力が必要になります。
これまでAI半導体市場では、AIモデルの学習を支えるGPUが大きな注目を集めてきました。しかしAIの利用が本格化すれば、投資テーマは「AIを作るための半導体」から「AIを毎日動かすための半導体」へ広がる可能性があります。
その恩恵を受ける候補がCPUです。
アームは2030年に1,200億ドル市場を予測
アームは、サーバーCPU市場が年率35%超で成長し、2030年には1,200億ドル規模に達する可能性があると推計しています。
一方、AMDは2030年までにサーバーCPU市場が50%成長し、2,200億ドルの売上機会が生まれる可能性があると予測しています。
両社の数字は前提が異なるため単純比較はできませんが、共通しているのは、AI時代にサーバーCPU市場が大きく成長すると見ている点です。
ミューズのようなAIエージェントが数億人規模で日常的に利用されるようになれば、この成長予測を支える新たな需要源になります。
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インテル株は年初来194%上昇
特に株価が大きく上昇しているのがインテルです。
2026年9月18日の終値までで、インテル株は年初来194%、過去12カ月では278%上昇しています。バロンズが選定した「2026年の推奨銘柄」の1つでもあります。
ただし、CPU市場が成長することと、インテル株が今後も同じペースで上昇することは別の問題です。
すでに株価が大幅に上昇しているだけに、今後はAI関連のCPU需要が実際の売上や利益につながるかが重要になります。
期待だけではなく、業績で成長を証明する段階に入りつつあると考えられます。
関連記事:インテル株が急騰!CPU10%値上げとAIサーバー需要で復活は本物か
ミューズの本当の価値は継続利用にある
キーバンクのアナリスト、ジャスティン・パターソン氏は、メタの流通力とデータ面での優位性がミューズに有利に働くとの見方を示しています。
一方、ミューズの成功を判断するには、現在のダウンロードランキングだけでは不十分です。
同氏は、ミューズが今後数カ月で数億人規模の月間利用者を獲得し、さらに日間や週間でも数億人規模の利用者を獲得できれば成功と評価できるとの見方を示しています。
つまり重要なのは「何人がダウンロードしたか」ではなく、「何人が継続して使うか」です。
AIエージェントの利用頻度が高まれば、そのたびに推論処理が発生します。継続利用者が増えるほど、データセンター側の計算需要も積み上がっていきます。
AI投資の裾野がCPUへ広がる可能性
今回のミューズ人気で興味深いのは、株式市場でインテル、アーム、AMDがそろって上昇したことです。
市場はAIエージェントの普及を、メタだけの成長材料とは考えていません。
AIエージェントの利用拡大
↓
AIモデルの実行回数増加
↓
推論処理の増加
↓
データセンターの計算需要増加
↓
CPU需要の拡大
という流れが成立すれば、AI市場の成長はCPU関連企業にも波及します。
ミューズが一時的な人気アプリで終わるのか、それとも数億人が日常的に利用するAIエージェントへ成長するのかは、まだ分かりません。
ただ、AI投資の焦点がGPUだけではなくCPUへ広がり始めている点は注目に値します。今後はミューズの利用者数や利用頻度とともに、インテル、アーム、AMDのAI関連売上がどのように伸びるのかを確認していく必要があります。
関連記事:AI「推論」時代がもたらすCPU大競争:インテル、AMD、アームによる次なる覇権争い
情報ソース: Barron’s: “Intel and Arm Stocks Are Jumping. Thank Meta’s Muse AI Agent.” (By Adam Clark, Sept. 21, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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