エヌビディア(NVDA)の成長ストーリーが、新たな段階に入りつつあります。
CEOのジェンスン・フアン氏は2026年9月17日、英国訪問中に「来年は今年の2倍のチップを販売すると予想している」と発言しました。
注目したいのは、売上高ではなく「チップの販売数量」を2倍にするという点です。
市場では2028年1月期の売上高が約70%増加すると予想されています。販売数量の伸びが売上高を上回るのであれば、今後の成長は高価格なAI向けGPUだけではなく、CPUやネットワーキング用チップなど幅広い製品へ広がる可能性があります。
エヌビディアは、AI向けGPUメーカーからAIインフラ全体を提供する企業へ変化しようとしていると考えられます。
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NVL72がチップ販売数量を押し上げる
販売数量拡大のカギとなるのがAIサーバーラック「NVL72」です。
NVL72には72個のGPUと36個のCPUが搭載され、さらに複数のネットワーキング用チップが使用されています。
つまり、1台のAIサーバーラックを販売するだけでも、エヌビディアはGPUだけでなくCPUやネットワーキング製品までまとめて供給できます。
市場調査会社Creative StrategiesのMax Weinbach氏は、2026年のグレース・ブラックウェル・サーバーラック出荷台数を70,000~80,000台と推計しています。
仮に中間値となる75,000台がすべてNVL72構成だった場合、GPUは約5,400,000個、CPUは約2,700,000個必要になります。これに数百万個規模のネットワーキング用チップも加わります。
フアン氏が示した「2倍」という数字は、GPUだけを見るのではなく、AIシステム全体に搭載されるチップの総数として考えることが重要です。
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ベラ・ルービンが次の成長エンジンになる
もう1つの重要な材料が、ブラックウェルから次世代のベラ・ルービンへの移行です。
エヌビディアは次世代AIデータセンタープラットフォーム「ベラ・ルービン」と、次世代AI GPUアーキテクチャ「ルービン・ウルトラ」を発表しています。
調査会社TrendForceは、2027年のNVL72ラック出荷台数が2026年比で50%以上増えると予測しています。
サーバーラックの出荷台数が増えれば、GPUだけでなくCPUやネットワーキング用チップの販売数量も同時に増加します。
さらに、ベラ・ルービン世代のハードウェアはブラックウェルより平均販売価格が高くなるとされています。
つまり、エヌビディアには「販売数量の増加」と「次世代製品による単価上昇」の両方が期待できます。この2つが同時に進めば、巨大企業となった後も高い成長率を維持できる可能性があります。
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GPUだけの会社ではなくなる
今後のエヌビディアを見るうえではCPU事業も重要です。
同社は2026年にスタンドアローン型CPUを投入し、将来的に数十億ドル規模の事業へ成長させる見通しを示しています。
さらに、中国市場向けAIチップ、ネットワーキング用チップ、新しいPC向けチップなど、GPU以外にも販売数量を増やせる製品があります。
これまでエヌビディアを評価する際は「AI向けGPUをどれだけ売れるか」が最大の焦点でした。
しかし今後は、「AIデータセンター1カ所あたり、どれだけ多くのエヌビディア製品を採用してもらえるか」がより重要になりそうです。
GPU、CPU、ネットワークまで自社製品でカバーできれば、AIインフラへの関与はさらに深くなります。
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最大の課題は供給能力
一方、販売数量を2倍にするためには大きな課題もあります。
エヌビディア自身がサプライチェーン上の供給制約について説明しており、需要があっても十分な製品を生産できなければ成長は制限されます。
Epoch AIの推計では、エヌビディアは2025年に約4,460,000個のAI GPUを販売しました。2026年1月から8月末まででは約3,390,000個で、同じペースが続けば2026年通年では約5,090,000個となる計算です。
AI GPUだけを見ると、翌年に単純に2倍となるペースではありません。
そのため、「2倍」という見通しを実現するにはCPUやネットワーキング用チップなどの拡大が重要になります。
さらにベラ・ルービンの増産には、半導体製造だけでなくメモリー、先端パッケージング、サーバー組み立てなど幅広いサプライチェーンの拡張が必要です。
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「2倍」が示すエヌビディアの将来像
フアン氏の発言で最も注目したいのは、巨大企業となったエヌビディアが、今なお大幅な販売数量の拡大を想定していることです。
これからの成長は、AI向けGPUを高価格で販売するだけではありません。
NVL72の普及、ベラ・ルービンへの世代交代、CPU事業、ネットワーキング製品などを組み合わせ、AIコンピューティング基盤全体を提供する方向へ進んでいます。
販売数量が2倍になる一方、売上高成長率が約70%にとどまるのであれば、比較的単価の低いCPUやネットワーキング用チップが急増する可能性もあります。
これは成長力の低下というより、エヌビディア製品がAIインフラのより広い領域へ浸透していく変化と見ることができます。
今後はGPUの販売数量だけでなく、AIサーバーラックの出荷台数、ベラ・ルービンの生産状況、CPUやネットワーキング事業の拡大に注目する必要があります。
フアン氏が掲げる「チップ販売数量2倍」が実現すれば、エヌビディアの成長ストーリーがGPU中心からAIインフラ全体へ広がっていることを示す重要な節目となります。
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情報ソース: Barron’s: “Nvidia Chip Sales Could Double Next Year, CEO Jensen Huang Says” (By Adam Clark, Sept. 18, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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