2026年2月5日に発表されたアファーム・ホールディングス(AFRM)の2026年度第2四半期決算の結果、株価は一時的に下落しました。しかし、その中身を客観的な事実に基づいて詳細に読み解くと、同社が単なる後払い決済(BNPL)の一業者から、より強固な金融ソフトウェア・プラットフォームへと進化しようとしている姿が浮かび上がります。
過去最高の取扱高と上方修正された見通し
第2四半期の業績を振り返ると、収益は11.2億ドルに達し、市場予想の10.6億ドルを上回る結果となりました。また、総取扱高(GMV)は前年同期比36%増の138億ドルと、同社にとって過去最高を記録しています。これはウォール街が予想していた133億ドルを大きく超える水準です。
さらに、今後の業績見通しについても強気な姿勢が示されています。2026年度通期のGMV予想は、従来の475億ドルから、483億ドル〜488.5億ドルの範囲へと上方修正されました。次なる第3四半期のGMVについても110億ドル〜112.5億ドルと予測されており、アナリストが期待する年間売上高40.6億ドルの達成に向けて着実な進展が見て取れます。
ウォルマート離れという健全な脱却
今回の決算で投資家が一部懸念を示したのは、ウォルマート(WMT)との提携終了に伴う成長の鈍化でした。事実、第2四半期はウォルマートのボリュームがクラーナへ移行する時期にあたります。
しかし、注目すべき事実は、ウォルマートを除外したベースではむしろ成長が加速しているというアナリストの分析です。特定の巨大小売店への依存を減らしながら過去最高のGMVを叩き出したことは、アファームのサービスが既に自律的な集客力を備えていることを証明しています。
アファーム・カードがもたらす日常への侵食
アファームの将来性を占う上で、現在最も重要な指標はアファーム・カードの普及です。カードによるGMVは22億ドルと前年から2倍以上に増加し、利用者数も前四半期末の280万人から370万人へと急増しています。
これまでBNPLはオンラインでの決済が主戦場でしたが、この独自のデビットカードが普及することで、同社は消費者の対面決済データを手に入れることになります。370万人のユーザーが日常の買い物で同社のシステムを経由し始めることは、与信精度の向上とさらなる収益機会の創出を意味します。
銀行ではなくソフトウェア企業という選択
もう一つ見逃せない事実は、同社が銀行免許の申請において、商業銀行ではなく産業ローン会社(ILC)の形態を選択している点です。
COOのマイケル・リンフォード氏が語る「我々はソフトウェア会社である」という主張は、単なるスローガンではありません。銀行持株会社としての厳しい規制を避けつつ、金融ライセンスを取得しようとする動きは、テクノロジーの進化スピードを維持したまま、金融の低コストな資金調達手段を確保するという戦略的な判断と言えます。
結論:リボ払い市場への宣戦布告
アファームが真の競合として見据えているのは、ペイパル・ホールディングス(PYPL)などの他のBNPL業者ではなく、既存のクレジットカードのリボ払いです。
ファイサーブ(FISV)といった決済インフラ大手との提携を拡大している事実は、同社が既存のカードネットワークの中に深く食い込もうとしていることを示しています。金利の透明性が高い分割払いという選択肢が、アファーム・カードを通じて消費者のポケットに常備されるようになれば、不透明なリボ払い市場のシェアを奪い続ける可能性が高いと判断されます。
短期的には提携先の変更による影響で株価が揺れ動く場面もありますが、138億ドルのGMVと急増するカードユーザーという事実は、同社が決済エコシステムの中心へと着実に近づいていることを物語っています。
情報ソース: Barron’s: “Affirm Positions for Long-Term Growth. The Fintech Is More Than Just Buy Now, Pay Later.” (By Mackenzie Tatananni, Feb. 6, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
*過去記事はこちら アファーム AFRM
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇