2026年1月22日、半導体大手のインテル(INTC)は、2025年12月期第4四半期の決算を発表しました。実績数値は、売上高が137億ドル(市場予想134億ドル)、調整後1株当たり利益(EPS)が15セント(市場予想8セント)と、いずれも市場の期待を上回る好結果でした。
しかし、この好決算にもかかわらず、同社の株価は発表後の時間外取引で12%を超える下落を記録しています。直近1ヶ月で47%という大幅な上昇を見せていただけに、市場には困惑が広がっています。今回の決算内容から、インテルの将来を左右する3つの核心を読み解きます。
1. 需要はあるがモノがない――供給制約という課題
今回の決算で最も注目すべきは、デビッド・ジンズナーCFOが語った「プロセッサ需要は非常に強い」という言葉と、それとは対照的な「供給制約」の存在です。
インテルの実績は好調でしたが、同時に発表された2026年第1四半期の業績見通しが市場の期待に届きませんでした。予測売上高は117億ドル〜127億ドルとされ、その中央値である122億ドルは市場予想の126億ドルを下回っています。この弱気な見通しの理由は、需要の減退ではなく、皮肉にも売るための在庫を使い果たしてしまったことにあります。
投資家として注目すべきは、CFOが「年内の残り期間、四半期ごとに供給は改善する」と明言している点です。現在の業績の足踏みは構造的な不振ではなく、供給網の回復待ちという一時的なボトルネックである可能性が高いと言えます。
2. AIとx86の再定義、そして製造技術の現在地
インテルは現在、x86アーキテクチャをAI時代の高パフォーマンス計算の基盤として再定義しようとしています。AIの普及は、GPUメーカーだけでなく、それを支えるPCやサーバーのプロセッサ需要も押し上げています。
ここで重要なのが、リップブ・タンCEOの「製造歩留まりは改善しているが、業界トップレベルには達していない」という率直な自己評価です。この発言は一見ネガティブですが、経営陣が自社の課題を正確に把握し、改善の途上にあることを示唆しています。インテルが将来的に真の製造リーダーシップを取り戻せるかどうかが、中長期的な株価の命運を握る重要な要素となります。現在はその産みの苦しみの最中にいると分析できます。
3. 2026年後半に懸念されるメモリ価格の影響
もう一つ見逃せないのが、2026年後半に向けたリスク管理です。CFOは、メモリ価格の上昇が下半期の課題になる可能性を指摘しました。
PCやサーバーを製造する顧客企業にとって、メモリ価格の高騰は全体のコスト増を招き、結果としてインテルのプロセッサ採用ペースに影響を与える可能性があります。上半期は多くの企業が在庫確保により影響を回避できていますが、2026年後半の利益率が次の大きな焦点になると考えられます。
まとめ:現在は期待の剥落か、それとも好機か
今回の株価下落は、1月に入ってからの47%という急激な上昇に対する利益確定と、供給不足による弱気な見通しへの過剰反応が重なったものと考えられます。
今後の注目ポイントは、CFOの宣言通りに四半期ごとに供給制約が解消されていくか、そして製造歩留まりがいつ業界トップレベルに到達するのかという2点です。
インテルは今、AIという強力な追い風を受けながらも、供給網と製造技術の立て直しという自らの課題と戦っています。短期的な乱高下に惑わされず、この供給の壁を突破するスピードを注視していく必要があります。
情報ソース: Barron’s: “Intel Stock Sinks on Weak Outlook. CFO Says Chip Supply Will Improve Later This Year.” (By Tae Kim, Jan. 22, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
*過去記事「インテル株が4年ぶり高値!減益予想の中でも買いが殺到する「3つの理由」」
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