エヌビディア株に不安?2兆ドル市場がそれを和らげる──メリウスの強気分析とは

AIコンピューティングとネットワーク市場は2030年までに2兆ドルに達する可能性がある──米調査会社メリウスのアナリストは、そう予測しています。エヌビディア(NVDA)ブロードコム(AVGO)が共にこの巨大市場の恩恵を受けるとするレポートが注目を集めています。

ブロードコムの躍進とエヌビディア株の一時的な下落

ブロードコムは2025年第3四半期の決算発表で、AI向けカスタムチップ事業に新たな顧客を獲得し、来年度に100億ドルの追加売上が見込まれると明かしました。このニュースにより、同社のAIチップ関連収益が今後2年間で2倍になるとの見方も出ています。

一方で、エヌビディアの株価はこの発表を受けて一時的に3%下落しましたが、週明けには値を戻しています。

「両社とも勝者になれる」──メリウスの見解

メリウスのアナリストであるベン・ライツェス氏は、「エヌビディアのAIコンピューティング市場シェアは今後徐々に低下するものの、それでも同社とブロードコムの双方に大きな成長余地がある」と述べています。

特に注目されているのは、AI向けの演算能力(AI compute)とネットワーキングの市場が今後も拡大を続け、2030年には2兆ドル規模になるという点です。この前提に立つと、仮にブロードコムの市場シェアが20%、エヌビディアが40%に低下したとしても、両社の株価は「大きく上昇する可能性がある」としています。

CUDAエコシステムとアップルとの類似性

ライツェス氏は、エヌビディアのGPUアーキテクチャ「CUDA(Compute Unified Device Architecture)」が、開発者による支持を集めている点に着目しています。このエコシステムが、AI市場におけるエヌビディアの利益の大半を維持しており、スマートフォン市場でのアップル(AAPL)と同様のポジションを築いていると分析しています。

「アップルもかつて、世界のスマートフォンシェアで25%未満に留まりながらも、圧倒的な利益率で株価を伸ばし続けた」とメリウスは指摘しています。

オープンAIの爆発的な投資計画が背景に

さらに、メリウスはブロードコムの「第4の顧客」はオープンAIであると見ており、同社が今後数年間で1,150億ドルを支出する計画を立てていることを挙げています。これは以前の予測(350億ドル)を大きく上回るものであり、AI向けコンピュートとネットワークインフラに対する需要が飛躍的に高まっていることを示唆しています。

シティは慎重姿勢、エヌビディアの目標株価を引き下げ

一方で、シティリサーチはエヌビディアに対する競争激化を懸念し、目標株価を210ドルから200ドルに引き下げました。背景には、アルファベット(GOOGL)が自社の計算能力を外部にも提供するなど、エコシステム競争の構図が変化してきている点があります。

今後の注目点

メリウスは、エヌビディアの2025年後半の売上が、AIコンピュートとネットワークを合わせたサービス市場(約3,000億ドル)で70%以上のシェアを維持していると分析。加えて、同社の設備投資額が予想を上回って増加していることから、今後の受注に対して強気の姿勢が伺えるとしています。

AIインフラの構築競争が激化する中、GPU王者エヌビディアと、ASIC分野で急浮上するブロードコムの動向には引き続き注目が集まりそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA ブロードコム AVGO

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