コストコ株、目標株価1,132ドルへ!成長する小売王者の強みとは?

  • 2024年12月15日
  • 2024年12月15日
  • BS余話

卸売業大手のコストコ・ホールセール(COST)が第1四半期決算を発表。売上と利益がアナリスト予想を上回る結果となり、目標株価が引き上げられました。ファクトセットのデータによると、現在の平均目標株価は1,017.41ドルで、11月末の940.37ドルから上昇しています。12月13日の取引で株価は0.1%上昇し、終値は989.35ドルでした。

コストコの成長性と評価の高さ

バーンスタインのアナリスト、ジハン・マ氏は、「コストコはカバー範囲内で最も質の高い企業であり、数十年にわたるグローバルな倉庫拡大の可能性が高い評価を支える」とコメント。格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を1,062ドルから1,132ドルに引き上げました。

同社の予想PER(株価収益率)は53.8倍で、小売業界の他の競合企業を大きく上回っていますが、マ氏をはじめとするアナリストたちは、コストコの株価がその高い評価に見合う価値を持っていると強調しています。

好調な業績が株価を支える

12日に発表された決算によると、コストコの第1四半期の1株当たり利益は4.04ドル、売上高は622億ドルでした。同店舗売上は前年比で5.2%増加し、Eコマースの同店舗売上も前年同期比で13%増加しました。

コストコの主要事業である食品部門が引き続き好調である一方で、オンライン販売の伸びは食品以外のカテゴリも順調であることを示しています。同社の経営陣によれば、金やジュエリー、ギフトカード、家具、スポーツ用品、ヘルス&ビューティー用品、ハードウェアといった商品が2桁成長を記録しました。これにより、ホリデーシーズンの売上も期待されています。

消費者動向とEコマースの進展

シティのアナリスト、ポール・ルジュ氏は、ホリデーシーズンの消費動向が非常に好調であることを指摘し、「外食よりも家庭での食事が増えるというトレンドは、コストコにとって有利に働く」とコメントしています。同氏は格付けを「中立」とし、目標株価を800ドルに設定しています。

また、コストコはデジタル技術やEコマースの分野で競合他社に遅れを取っているとしながらも、バーンスタインのマ氏は、「同社の高い賃金構造を考慮すれば、選択的にEコマースを導入するのが合理的」と述べています。同社のCFOであるゲイリー・ミラーシップ氏も、「アプリで倉庫在庫を確認できる機能など、メンバー体験の向上が好評を得ている」とコメントしました。

広告ビジネスの可能性

さらに、コストコは広告事業の拡大にも取り組んでいます。この四半期では初のターゲティング広告キャンペーンを実施し、期待を上回る広告費用対効果を達成しました。現在、25以上の供給企業が次のキャンペーンへの参加に意欲を示しているとのことです。

エヌビディア(NVDA)やウォルマート(WMT) といった競合企業が広告ビジネスに多額の投資を行っている中、コストコの広告事業はまだ発展途上ですが、将来的に大きなチャンスとなる可能性があります。メリウス・リサーチのアナリスト、カレン・ショート氏は、同社に「ホールド」の格付けを付け、目標株価を1,050ドルとしています。

まとめ

コストコは、安定した業績と成長戦略により高い評価を維持し、株価は最高値の更新を目指しています。食品事業の強さに加え、Eコマースや広告事業といった新たな成長分野への進出が注目される中、さらなる成長が期待されます。

*過去記事「シュティフェルが注目するディフェンシブ銘柄:ポートフォリオを守る選択肢

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