アルファベット分割で株主価値30%増?SOTP評価が示す未来

米国司法省が、アルファベット(GOOGL)の事実上の検索独占に対して企業の分割を提案していることが話題となっています。これは、1980年代にAT&Tが分割されて以来、初めての大規模な企業解体の可能性が示唆される重要な局面です。

この提案に対してアルファベットは強く反発していますが、もし企業が分割されたとしても、投資家にとって大きな不安材料になる可能性は低いと見られています。むしろ、分割が株主価値を押し上げる可能性があり、SOTP(Sum-of-the-Parts)評価が今後の焦点になると考えられています。

アルファベット分割の可能性:司法省の提案とは

アルファベットは、検索エンジン「Google」を中心に、クラウドサービスやYouTubeなどの多岐にわたる事業を展開しており、その規模は企業価値2兆ドルに達します。しかし、司法省は検索市場での独占に対処するため、アルファベットの解体を含む措置を検討しています。11月20日までに具体的な救済策を提案することが求められ、判決は来年に下される見込みです。

投資家にとってのSOTP評価とは?

SOTP評価とは、企業の各部門を個別に評価し、隠れた価値を明らかにする手法です。アルファベットが分割された場合、以下のように各事業の価値を分析することが可能です。

  • Google検索:売上の約70%を占めており、Ebitdaの約17倍の評価を用いると、その価値は約1兆6000億ドル。
  • YouTube:売上の20%を占め、Ebitdaの17倍で評価すると、価値は約4500億ドル。
  • Googleクラウド:売上の10%を占め、同業他社のマイクロソフトやアマゾンを参考にEbitdaの21倍で評価すると、約3000億ドルと推定されます。

ウェイモと未来の成長可能性

アルファベットの「その他の事業」の中でも特に注目すべきは、自動運転技術を手掛けるウェイモです。ウェイモは、月に10万回以上の自動運転タクシーの乗車サービスを提供しており、真の自動運転技術のリーダーとして評価されています。現在は利益を上げていませんが、その価値は約3000億ドルと見積もられています。

アルファベットの分割は株主にプラスか?

分割が現実のものとなった場合、アルファベットの企業価値は2兆6000億ドルに達する可能性があり、これは現在の株価に対して約30%の上昇余地を示唆しています。特に、同社の株価はここ数カ月で14%下落しており、割安感が高まっていることから、今後の成長を期待する投資家にとっては大きな魅力となりそうです。

まとめ:アルファベットの分割が意味するもの

司法省の独占禁止措置により、アルファベットの未来には大きな変革が迫っていますが、SOTP評価に基づくと、投資家にとっては分割がむしろプラスに働く可能性が高いと言えます。検索市場における圧倒的なシェアを持つグーグル、世界中で利用されるYouTube、成長著しいクラウドサービス、そして自動運転技術のウェイモなど、アルファベットの各事業は個別に見ても非常に価値が高いため、今後も注目が集まるでしょう。

アルファベットの株価が現在の割安状態から再評価される日が来るのか、投資家は司法省の動向を注視しながら、戦略的な判断を迫られることになります。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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