増加を続けるエヌビディア製AI半導体への需要、中国向け規制強化への懸念は杞憂?

2023年、世界的な半導体リーダーである台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)は、第3四半期の決算報告で、AI半導体の市場が急速に拡大していると発表しました。これは、AI技術を搭載したプロダクトとサービスが全世界で急増しているため、エヌビディア(NVDA)にとっても、特に注目すべき好材料となっています。
TSMCの業績上向き、半導体業界の未来に明るい兆し

TSMCの決算報告では、全体の半導体業界の需要に関して微妙な評価が示されました。同社の経営陣は、マクロ経済環境は弱く、中国の回復は引き続き冴えないと見ているとコメント。ポジティブな面としては、PCと携帯電話市場に安定化の兆しが見られるものの、大きな回復を予測するには時期尚早であるとしています。

しかし、AI半導体のセクターは疑いようのない強さを見せています。TSMCはエヌビディアのAIチップの主要なサプライヤーであり、エヌビディアはAIアプリケーションに使用される半導体の市場をリードしています。

TSMCの魏哲家・最高経営責任者(CEO)は、「AIの需要はますます強まっており、その需要を満たすために生産能力の増強に努めている」と述べています。

これに加えて、TSMCは2024年末までにCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)という先進的なチップパッケージング製造能力を倍増させる計画も確認しました。CoWoSは、エヌビディアの最高性能AIチップを製造するために必要なものです。

今週初め、米国が中国への低性能AIチップの追加販売を制限する可能性のある輸出規制を強化したことで、エヌビディアの株価に対して警戒感が高まりました。しかし、エヌビディアは、「製品への世界中の需要の強さを考慮すると、これらの追加制限が近期の財務結果に有意な影響を与えるとは考えていない」と証券取引委員会への提出書類の中で述べています。

AI技術の進展に伴い、中国における長期的な収益が損なわれる可能性があったにも関わらず、AIアプリケーションとエヌビディアのチップへの需要は、中国を含む世界中で増加しているという証拠が増えています。

これらの証拠は、AIと半導体技術の未来に対する楽観的なビジョンを裏付けており、特にAI技術を活用したイノベーションに注力している企業や投資家にとって、ポジティブなシグナルとなると考えられます。

TSMCとエヌビディアの連携は、AI半導体市場のリーダーシップをさらに固め、AIの未来を形作っていく重要なステップを示しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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