2023年第1四半期のベスト&ワースト銘柄

銀行の混乱と連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げによって市場が揺れ動いた激動の第1四半期は3月31日に幕を閉じました。

各指標のパフォーマンスを見ると、ナスダック総合株価指数に採用されている大型株100銘柄で構成されるナスダック100はこの3ヶ月で20%上昇。そして、S&P500は7%、ダウ平均は0.4%の上昇となりました。

ダウとS&P500はこれで2四半期連続の上昇。ナスダック100は4四半期連続で続いていた下落をストップしてこの3指標の中で最も良いパフォーマンスを見せています。

各指数における第1四半期のベスト・パフォーマーとワースト・パフォーマーは以下の通りです。

ナスダック100

ベスト・パフォーマー

半導体株のエヌビディア(NVDA)はこの四半期で90%上昇し、S&P500とナスダック100の2つの指数でトップの座を占めました。

同社は昨年、パソコン需要の低迷による在庫の高止まりの打撃を受け、株価は50%も下落していました。しかし、同社の半導体が人工知能に応用されることへの期待が高まり、状況は好転しました。

直近のカンファレンスで、企業がAIコンピューティング能力をレンタルできるDGXクラウドサービスや、アドビ(ADBE)とAIモデルを共同開発することなどを発表し、同社は一躍市場の寵児となっています。


*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

ワースト・パフォーマー

シリウスXMホールディングス(SIRI)はこの四半期で32%下落し、ナスダック100のワースト・パフォーマーとなりました。

衛星放送とストリーミングを手がける同社が発表した第4四半期決算は利益が予想をわずかに上回ったものの、2023年のガイダンスは予想を下回るものでした。

3月初めには、全世界の従業員の約8%、475人削減すると発表しています。最高経営責任者(CEO)のジェニファー・ウィッツ氏は、この削減は 「持続的に利益を上げられる企業を維持するために必要だ」と述べています。

S&P500

ベスト・パフォーマー

上述のとおり、トップは90%上昇したエヌビディアです。

ワースト・パフォーマー

ファースト・リパブリック・バンク(FRC)はこの四半期で89%下落し、S&P500のワースト・パフォーマーとなりました。

シリコンバレー銀行とクレディ・スイスの破綻は投資家を不安にさせ、ファースト・リパブリックはその余波をもろに受けました。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、この四半期は同行にとって過去最悪の成績となりました。

バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、JPモルガン(JPM)を含む米国11銀行のコンソーシアムが300億ドルの預金を約束し、ファースト・リパブリックへの支援を表明しましたが、投資家はまだ同行の先行きに自信を持っていないようで、株価は下がり続けています。

ダウ平均

ベスト・パフォーマー

セールスフォース(CRM)この四半期で51%上昇し、ダウ平均のベスト・パフォーマーとなりました。

上昇の最も大きな要因は第4四半期決算の内容だったと考えられます。予想を上回る業績と見通し、200億ドルの自社株買い計画を発表したことが評価され、決算発表後に株価は高騰しました。
*過去記事「セールスフォース 好決算と200億ドルの自社株買い計画で高騰

ワースト・パフォーマー

スリーエム(MMM)はこの四半期で12%下落し、ダウ平均のワースト・パフォーマーとなりました。

この下落の要因はいくつかあると考えられます。1月に発表した第4四半期決算における収益が予想を下回り、2023年のガイダンスもさえなかったこと、約2,500人の人員削減を発表したことなどがひとつの要因。

もうひとつは、子会社のアエロ・テクノロジーズが軍用に販売した耳栓に欠陥があった可能性があるという訴訟や、同社が製造した化学物質が水源に混入したという訴訟問題に同社が巻き込まれていることが株価の重荷になったと考えられます。

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