先週、リーマンショック以来最大の銀行破綻が起こりましたが、ウォール街のアナリストは、この破綻で影響を受けたいくつかの銘柄に買い場があると見ています。
シティは3月13日、企業向けに金融自動化ソフトウェアを提供するビル・ホールディングス(BILL)の格付けを再び「買い」としましたが、アナリストのアンドリュー・シュミット氏は、売り圧力を理由に、同株式の目標株価を前回の131ドルから108ドルに引き下げました。
ビルは破綻したシリコンバレー銀行に約6億7000万ドルを預けていましたが、現在保有する現金で運転資金やその他の資金需要を満たすのに十分であると3月11日に発表していました。
シュミット氏は、ビルを企業間商取引のデジタル化に関する稀有なピュアプレイと見ており、これが長期的なビジネスチャンスの原動力となるはずだと述べています。さらに、移行コストはかかるものの、最終的にはすべての預託金を回収できるだろうとしています。ビルの株価は、3月10日に15%も下落しましたが、13日に8%上昇した後、14日には2%近く上昇して75ドル近辺で取引されています。
ロク(ROKU)もシリコンバレー銀行に3月10日現在で現預金の約26%を預けていた企業ですが、様々な支出や資本要件を満たすのに十分な現金があると発表しています。
ウェドブッシュのアナリスト、Alicia Reese氏は、13日、ロクに対する「アウトパフォーム」の格付けを維持すると発表しました。ライブTVのアップデートや、新しいハイエンドRoku TVのためにベスト・バイと独占的なパートナーシップを結んでいることなどを同氏は評価しており、これらによって、「短期的には、十分なユーザー数の増加を促すだろう」と書いています。
ロクの株価は11日、13日とあまり動きませんでしたが、14日は一時4%高となるなど急騰しています。
金融セクターが幅広く低迷する中で下落したいくつかの金融株も、拾う価値があるかもしれないとアナリストは述べています。
シティのアナリスト、クリストファー・アレン氏とアレッサンドロ・バルボ氏は13日、チャールズ・シュワブ(SCHW)の格付けを「ホールド」から「買い」に引き上げました。その一方で同氏らは目標株価を83ドルから75ドルに引き下げましたが、それでも14日朝時点の株価である57ドルから32%近くの上昇の余地があることを示しています。
プロスペリティ・バンクシェアーズ(PB)はテキサス州とオクラホマ州で事業を展開する金融持株会社であり、今回の銀行破綻で影響を受けた地方銀行株の一つですが、D.A.デビッドソンのアナリスト、ピーター・ウィンター氏は13日、同行の格付けを、強固なバランスシートを理由に、「ホールド」から「買い」に格上げしました。株価は10日に4.5%、13日に3%下落した後、14日朝には2%上昇して63ドルとなっています。