バーゲン価格で買えるチャンスかもしれない優良米国銀行株

シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻による影響を米国の銀行株が受けています。KBWナスダック銀行指数（KBX）は3月13日までの1週間で25%も下落してしまいました。

銀行株を避ける動きが目立っていますが、こんな時だからこそ通常時では買えないバーゲン価格で優良株を買うチャンスであるとも言えます。

では、具体的にどのような銀行や銀行持ち株会社が優良株と言えるのでしょうか。株式市場のニュースやデータなどを提供するWEBサイト、マーケットウォッチが平均総資産利益率（ROAA）を基準に過去15年間で最も業績が良かった米国の銀行をスクリーニングして上位10社をリストアップしていますので、ご紹介します。

スクリーニングの対象となったのは、米国の上場企業の約98％を時価総額でカバーするラッセル3000（RUX）。

この中で12月31日現在で総資産が200億ドル以上の銀行または銀行持株会社は78社ありました。その中で過去15年間のROAAが高い上位10社は以下の通りです。

スクリーンのベースとなる15年ROAAに加え、より最近のパフォーマンスに光を当てるため、10年ROAAの数値も掲載しています。

このリストに掲載された10社のうち7社は、15年間のトータルリターンがS&P500の15年間のトータルリターン297%を上回っています。一方で、10年間のリターンがS&P500の10年間のリターン200%を上回ったのは、1社のみです。

アメリカン・エキスプレスは、15年間のROAAが最も高く、10年間のROAAもこれらの企業の中で最も高くなっています。

バンクOZKの15年間のトータルリターンは797％と最も高く、次いでディスカバーの703％、レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルの625％となっています。

ではこの10社の現在のバリュエーションはどうなっているのか？　マーケットウォッチは株価純資産倍率（PTBV）を用いて上記10社の現在の価値を評価しています。

PTBVとは、企業の貸借対照表に記載されているハードまたは有形純資産の簿価に比べた証券の価格を表す評価比率です。有形簿価は、企業の総簿価から特許、知的財産、営業権などの無形資産の価値を差し引いた数値に相当します。

上記の通り、現在のPTBVが10年平均、15年平均を下回っているのは6社あります。他の要素も考慮に入れなくてはなりませんが、これらの銘柄をバーゲン価格で買えるチャンスであることを表しているシグナルかもしれません。