半導体業界は今後さらに下落する恐れがあるとアナリストが述べています。シティ・リサーチのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏は2月27日、半導体産業は2023年の収益予想を少なくとも10％下回り、同セクターを新安値に追い込むだろうと調査レポートの中で述べています。
その事例として、インテル（INTC）とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）が共にデータセンター分野の見通しを弱くしていることを同氏はあげています。
「データセンター／産業／自動車の最終市場が横ばいになることで、さらに見通しが引き下げられると考え、このグループには慎重な姿勢を崩していない」と同氏は述べています。
そして、PCと産業向け半導体企業の利益率予測も低下していると述べています。また、自動車業界の需要は堅調に推移しているものの、半導体最終需要の70%を占めるPC、スマートフォン、データセンター、民生用電子機器市場は依然として悪化しているとも述べています。
バリュエーションもリスクであると同氏は見ており、フィラデルフィア半導体指数（SOX ）が12月下旬から18%上昇し、フォワードPERが22倍と、過去の平均値16倍を上回っていることを指摘。「SOX指数は、1株当たり利益の減少と倍率の圧縮により、30％下落し、新安値を更新すると予想している」と書いています。