ペロトン 生産停止報道を否定し速報値を発表

1月20日の昼頃「ペロトンが機器の生産を停止している」とCNBCが報じたため、ペロトン・インタラクティブ(PTON)の株価は急落しました。1月20日の終値は24%減の24.22ドルとなっています。

これを境にナスダック総合指数も下げに転じたため、「ペロトンショック」などとも報じられていますが、ペロトンの共同創業者でCEOのジョン・フォーレ氏は、この報道を否定しました。

ペロトンのウェブサイトに掲載されたメモの中で、「バイクとトレッドのすべての生産を停止するという噂は誤りです」と同氏は述べています。

フォーリー氏はこうも書いています。

「今週、機密情報を含むリークが発生し、報道機関で憶測記事が相次ぎました。メディアが入手した情報は不完全で、文脈を無視しており、ペロトン社の戦略を反映したものではありません。当社は成長のために投資を続けていますが、継続的な成功のためにはコスト構造を見直す必要があります。」

生産に関してより漠然とした表現で、フォーリー氏はこう付け加えています。「また、より季節的な需要曲線への移行に伴い、持続的な成長のために生産レベルを再設定しています」。

報道の直後に否定しなかった理由としては、決算発表直前の「沈黙期間」であったため、詳細をすぐに発表しなかったとしています。

ペロトンは以前、「フィットネスのネットフリックス」とか「フィットネスのデル」などと形容されることもありました。

今、ペロトンはこのように呼ばれた理由となった二つのアイデンティの間で苦しんでいます。

ネットフリックスのようにペロトンもコンテンツを充実させることに熱心ですが、売上や顧客獲得の多くは、依然としてハードウェアの販売によるものです。

ペロトンには、ネットフリックスのマイナス面、つまりコンテンツ制作にかかる高いコストがありますが、ネットフリックスが享受しているような資産の少ないビジネスから得られるメリットはありません。

デルや他のハードウェア企業と同様に、ペロトンのビジネスは、高価な製品を作り、それを顧客に素早く出荷することに依存しています。需要が減れば、バイクやルームランナーはすぐに重荷になってしまいます。これがペロトンの現在のジレンマです。

ペロトンは、月額40ドルのフィットネス契約を結ぶために、製品の販売に依存しているため、二重の打撃を受けています。機器の売上が落ちれば、新規加入者も減少します。

ペロトンは月額13ドルで同社の機器を使わないサービスも提供しています。コンテンツは携帯電話、タブレット、スマートテレビにストリーミングされ、加入者は自分の機器を使用しますが、このビジネスの売上はまだ小さなものです。

フォーリー氏の手紙に加えて、ペロトンは12月期の速報値を発表しました。この業績発表は、2月8日に予定されていたものです。同社の発表によると、この四半期の総売上高は「約」11億4,000万ドルでした。これは、ウォール街の現在の予想と同じです。コネクテッドフィットネスの契約数は277万件で、これは、ウォール街の予想である281万件をわずかに下回っています。

しかし、同社がコスト削減に注力していることが、収益に貢献していることを示す1つの兆候があります。

ペロトンの発表によると、12月期の調整後EBITDA(金利・税金・償却前利益)ベースの損失額は2億7,000万ドルから2億6,000万ドルでした。これは、数ヶ月前に同社が予想していたよりも小さな損失であり、ウォール街が予想していた3億3,200万ドルの損失よりも小さいものです。

この数字は、今のところペロトン社の株価下落を食い止めるのに効果があったようです。株価は時間外取引で9%上昇しました。

*過去記事はこちら ペロトン PTON

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