やっぱり気になるレモネード(NYSE:LMND)。先週末(1月8日)の終値は160.74ドル。前日の急騰のあとも勢いは衰えませんでした。
人気の理由について何度か書きましたが、それを裏付けるようなデータが同社のホームページにありましたので載せておきます。
契約者の年齢構成、性別
2016年のデータですので、ちょっと古いですが、年齢層で突出して多いのが25-34歳。性別では男性が8割近くを占めています。
顧客の約87%が初めての保険購入者だそうで、このグラフにあるとおり75%が34歳以下です。ミレニアル世代と大学生をターゲットにすることは、顧客が高齢化して裕福になるにつれて顧客一人当たりの平均保険料が増加することが期待できます。
米国で最初のマイホームを購入する平均年齢は約33歳だそうです。そして、これは大学卒業者が最初の子供を持つ平均年齢でもあります。レモネードの顧客構成はこの層にぴったり合っているのです。
保険料の比較
こちらは2019年発表のデータ。月5ドルから6ドルと、他社と比べて圧倒的に安く、平均では68%も安いことを強調しています。
大学生や若い無保険のミレニアル世代が初めて保険を契約するには魅力十分。この安さが彼らを引きつけているものと考えられます。
従業員一人当たりの平均顧客
2018年に掲載されたデータで、各保険会社の従業員が一人当たり何人の顧客をかかえているのか、平均顧客数の比較です。
この人数が多いほど、少ない人数で顧客に対応していること、業務の効率化が進んでいることを示します。
従来の保険会社で最も効率化が進んでいるところと比較しても5倍の開き。
統合されたAIを通じて、管理コストを劇的に下げ、顧客に迅速なサービスを提供していることがレモネードの売り。そんな彼らが胸を張って見せたいのがこの数字でしょう。
リスク
以上はレモネードの発表によるデータなので、いいことづくめでコーポレートカラー通りの未来が描かれますが、巷ではこんなリスクも指摘されていますので、蛇足ながら書いておきます。
- より多くのフィンテック保険会社が参入しており、その競争上の優位性を維持できるのか
- コストが安いとはいえ、5ドル程度の安い保険料で収益をあげられるのか
売上から見て株価は高くなりすぎており、完全なバブルだと指摘する声も多くみられます。空売りも多くなっており、発行済み総数の26%が空売りに回っているとのこと。「保険のテスラ」などと囃す声も出てきたようですが、空売りが多いことも含めてでしょうか。