マーケットウォッチは2026年10月2日、テスラ(TSLA)の2026年第3四半期のEV販売が市場予想を大きく上回り、株価が上昇したと報じました。
今回の販売台数は、テスラの自動車事業が依然として大きな規模を維持していることを示しました。一方で前年同期との比較では減少しており、エネルギー貯蔵事業も市場予想に届いていません。
現在のテスラ株を評価するうえでは、EV販売台数そのものに加えて、ロボタクシーやAIなど将来事業への期待がますます重要になっています。
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第3四半期のEV販売は486,532台
マーケットウォッチによると、テスラは2026年第3四半期に486,532台のEVを顧客に引き渡しました。
ファクトセットがまとめたアナリスト予想は約461,000台だったため、市場予想を約5.5%上回った計算になります。
2026年ではこれまでで最も多い四半期販売台数となり、市場予想を上回るのは2四半期連続です。
この発表を受け、テスラ株は10月2日の米国市場で一時5%を超えて上昇しました。
短期的には、自動車販売が想定以上に強かったという安心感が株価を押し上げたとみられます。
前年同期比では2.1%減少
ただし、販売台数を前年と比較すると違った姿も見えてきます。
2025年第3四半期の販売台数は497,099台でした。今回の486,532台は、これを約2.1%下回っています。
もっとも、2025年第3四半期はEV購入に対する税制優遇措置の期限を前に需要が前倒しされた特殊要因がありました。
そのため、単純な前年同期比較だけでテスラの需要が弱くなったと判断するのは難しい面があります。
主力のモデル3とモデルYの販売台数は478,237台でした。前年同期の481,166台から小幅な減少にとどまっています。
サイバートラックなどを含む「その他の車種」は8,295台でした。
EV市場全体ではメーカーごとの差が鮮明に
今回の記事では、米国EV市場のメーカー間格差も紹介されています。
リビアン・オートモーティブ(RIVN)は第3四半期に19,248台を引き渡し、前年同期比46%増となりました。
一方、フォード・モーター(F)のEV販売は前年同期比で80%減少しました。ゼネラル・モーターズ(GM)でも複数のEV車種で販売が大幅に減少したとされています。
EV市場そのものが一方向に拡大しているというより、メーカーや車種によって販売状況に大きな差が出ている点は注目されます。
その中でテスラが約490,000台という販売規模を維持していることには一定の意味があります。
株価を動かしているのはEVよりAIへの期待
マーケットウォッチの記事で特に興味深いのが、現在のテスラ株に対する投資家の評価です。
UBSのアナリストは、投資家の焦点が自動車販売から「フィジカルAI企業」への転換に移っていると指摘しています。
つまり、現在のテスラ株は何台のEVを販売できるかだけでは評価されにくくなっています。
ロボタクシー、自動運転、AI、ロボットなどが将来どの程度の事業になるのかという期待が、株価を大きく左右しています。
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そのため、四半期の販売台数は株価を短期的に動かしても、長期的な評価を決める材料とは必ずしも一致しません。
記事では、イーロン・マスク氏が率いるスペースX(SPCX)との将来的な関係を意識する投資家がいることにも触れています。
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テスラを「自動車メーカー」として見るだけでは、現在の株価評価を理解しにくくなっていることが分かります。
エネルギー貯蔵は予想を下回る
一方、今回の発表でやや弱かったのがエネルギー事業です。
テスラは第3四半期に13.7GWhのエネルギー貯蔵製品を導入しました。
市場予想は15.9GWhだったため、予想を下回りました。
テスラの大型蓄電システム「メガパック」は、AIデータセンターの急増によって電力需要が拡大する米国で重要な成長分野として期待されています。
ウィリアム・ブレアのアナリストは、エネルギー貯蔵事業の成長ペースが鈍化したものの、需要環境そのものに対する見方は変えていないとしています。
販売の伸び悩みには供給制約も影響しているとの見方です。
AIデータセンターの増加によって電力インフラへの投資が拡大するなか、テスラのエネルギー事業が今後どこまで成長できるかも重要なポイントです。
次の焦点は10月21日の決算発表
今回の販売台数は市場予想を明確に上回り、テスラにとってポジティブな結果となりました。
ただし、前年同期比では販売台数が減少し、エネルギー貯蔵も市場予想を下回っています。
投資家にとって重要なのは、販売台数だけを見るのではなく、自動車事業の収益性、エネルギー事業の成長、そしてロボタクシーやAIなど将来事業への投資を合わせて確認することです。
テスラは10月21日に2026年第3四半期決算を発表する予定です。
今回の好調な販売台数が売上高や利益率にどの程度反映されるのか、そしてAI企業への転換という期待を裏付ける新たな材料が示されるのかが、次の注目点になります。
情報ソース: MarketWatch: “Tesla sold a lot more EVs than Wall Street expected, and the stock is surging” (By William Gavin, Oct. 2, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。