知られざるAI半導体株MACOMが急成長 売上36%増、株価は1年で2倍超

  • 2026年9月20日
  • 2026年9月20日
  • BS余話

半導体企業のMACOMテクノロジー・ソリューションズ・ホールディングス(MTSI)が、AIデータセンター投資拡大の恩恵を受ける企業としてウォール街の注目を集めています。

MACOM株は2026年9月18日に前日比12.72ドル高の275.86ドルで取引を終え、上昇率は4.83%となりました。過去1年間では株価が2倍以上に上昇しています。

それでもウォール街の評価は強気です。ファクトセットが集計したアナリスト16社のうち12社が「買い」と評価しています。

その背景にあるのが、売上高と利益の大幅な伸びに加え、AIデータセンター向け光通信、防衛、宇宙という複数の成長分野です。

MACOMとは

MACOMは米マサチューセッツ州ローウェルに本社を置く半導体企業で、データセンター、通信、産業・防衛分野向けの半導体製品を設計・製造しています。

70年以上の技術経験を持ち、RF、マイクロ波、アナログ・ミックスドシグナル、光半導体など幅広い技術を展開しています。世界で6,000社を超える顧客に製品を提供し、北米、欧州、アジアに事業拠点を持っています。

特に注目されているのが、高速データ通信に使われる光半導体です。AIデータセンターでは大量のデータを高速でやり取りする必要があり、MACOMが持つ高速通信技術への需要拡大が期待されています。

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売上高36%増、純利益176%増の高成長

MACOMの直近四半期売上高は3億4,220万ドルとなり、前年同期比36%増加しました。ファクトセットによる市場予想3億3,600万ドルも上回っています。

純利益は1億70万ドルで、前年同期比176%増となりました。

売上高の伸びを大幅に上回るペースで純利益が拡大している点は注目できます。具体的な利益率改善の要因まではこの数字だけでは判断できませんが、事業拡大が利益成長につながっていることは確認できます。

株価上昇の背景にはAI関連銘柄への期待だけではなく、こうした実際の業績拡大もあります。

AIデータセンター向け光通信が次の成長市場

MACOMは2026年9月17日、AIデータセンター内部の光通信向けに新しい半導体製品群を発表しました。

新製品は従来製品と比較して、光通信速度を2倍にすることを目的としています。

AIデータセンターではGPUなどの演算性能だけでなく、大量のデータをサーバーや機器の間で高速に移動させる通信能力も重要です。AIモデルの規模が拡大すれば、こうしたデータ転送の重要性も高まります。

MACOMはこの分野で事業拡大を狙っています。

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Stephen Daly CEOは、新しいチップがピーク性能の実現と開発作業の削減に役立つと説明しています。

BMOキャピタル・マーケッツも、AIデータセンターからの強い需要がMACOMの利益成長を支えていると指摘しています。

現在のAI需要を業績に取り込みながら、さらに高速な光通信製品を投入している点が、今後の成長を考えるうえで重要です。

防衛と宇宙も次の成長源に

MACOMの成長分野はAIデータセンターだけではありません。

BMOキャピタル・マーケッツは2026年9月17日、MACOMの投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価335ドルを据え置きました。

同社は防衛市場が堅調であることに加え、宇宙関連事業についても2027年には成長への大きな貢献要因になるとの見方を示しています。

AIデータセンター、防衛、宇宙という複数の市場を持つことは、MACOMの成長を考えるうえで重要です。

AI関連投資が現在の成長を支える一方、防衛や宇宙が新たな収益源として拡大すれば、成長の裾野がさらに広がる可能性があります。

終値275.86ドルでもウォール街は上昇余地を見込む

9月18日の終値275.86ドルに対し、BMOキャピタル・マーケッツの目標株価335ドルは約21%上の水準です。

さらにジェフリーズは450ドルの目標株価を設定しています。これは9月18日の終値を約63%上回ります。

ファクトセットが集計した16社のうち12社が「買い」と評価していることも含め、ウォール街では今後の業績拡大に対する期待が続いていることが分かります。

ただし、目標株価は将来の株価を保証するものではありません。株価がすでに大幅に上昇しているだけに、今後は高い成長期待に応え続けられるかが重要になります。

過去最高値との比較だけで割安とは判断できない

MACOMの過去最高終値は409.68ドルです。

9月18日の終値275.86ドルは過去最高終値を約33%下回り、最高値まで戻る場合には約49%の上昇が必要です。

しかし、過去最高値を下回っていることだけを理由に割安とは判断できません。

一方で、過去1年間に株価が2倍以上になったという理由だけで、直ちに割高と判断することもできません。

重要なのは過去の株価ではなく、現在の275.86ドルという評価に対して、これからどれだけ売上高と利益を伸ばせるかです。

MACOM株の焦点は高成長を維持できるか

MACOM株を今後見るうえで最大のポイントは、現在の成長を持続できるかです。

売上高36%増、純利益176%増という業績は強いものですが、株価もそれを織り込む形で大きく上昇しています。

次に確認したいのは、新しいAIデータセンター向け光通信製品が実際の売上高にどこまで貢献するかです。さらに防衛市場の堅調さが続くか、宇宙関連事業が2027年以降の新たな収益源として育つかもポイントになります。

MACOMはエヌビディアやブロードコムほど一般投資家に知られた半導体企業ではありません。しかし、AIインフラの拡大に欠かせない高速通信分野に強みを持ち、足元では売上高と利益の双方を大きく伸ばしています。

株価が過去1年間で2倍以上になった今、重要なのはこれまでの上昇率ではありません。

AIデータセンター、防衛、宇宙という成長材料を実際の業績に結び付け、高成長を継続できるかがMACOM株の今後を左右するポイントになります。

情報ソース: Barron’s: “This Little-Known Chip Stock Has Doubled. Wall Street Is Getting Bullish.” (By Ty Roush, Sept. 18, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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