パランティア株に再点火 目標株価175ドルでPLTRに買い判断が戻った理由

2026年に入り、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は大きな乱高下を経験してきました。年初からの下落に加え、6月には短期間で急落する場面もあり、市場では同社のバリュエーションに対する警戒感が強まっていました。

しかし、直近ではその見方に変化が出ています。きっかけとなったのが、ウォール街のアナリストによる投資判断の引き上げです。2026年7月2日付の「Barron’s(バロンズ)」によると、DA デビッドソンのアナリストがパランティアの投資判断を「中立」から「買い」へと引き上げました。

この格上げは、単なる短期的な株価材料ではありません。AI時代におけるパランティアの競争優位性、米国政府向けビジネスの強さ、そしてエヌビディア(NVDA)との戦略的提携を踏まえた、企業価値の再評価と見ることができます。

目標株価175ドルが示す強気な見方

今回の格上げで特に注目すべき点は、目標株価が175ドルに設定されたことです。従来の目標株価165ドルからさらに引き上げられ、7月1日の終値125.73ドルに対して約39%の上値余地がある計算になります。

この数字は、市場に強いインパクトを与えました。実際、格上げを受けてパランティア株は2日朝に一時4.8%上昇し、直近4日間では17%上昇しました。年初から27%下落し、6月には7営業日で25%急落していたことを考えると、今回の反発はかなり大きな転換点といえます。

もちろん、株価が短期間で上昇したからといって、すぐに上昇トレンドが確定したわけではありません。しかし、弱気ムードが広がっていた局面で、主要アナリストが「買い」へと判断を引き上げた意味は小さくありません。市場がパランティアを再び成長株として見直し始めた可能性があります。

高PERでも再評価される理由

パランティア株に対して常に指摘されるのが、バリュエーションの高さです。7月1日終値時点で、同社の予想PERは71.03倍でした。S&P 500の平均PER20.52倍と比べると、依然としてかなり高い水準です。

通常であれば、この水準のPERは割高と見なされやすく、株価下落時には売り材料になりがちです。実際、これまでのパランティア株の下落局面でも、AI関連株への期待先行や割高感が懸念されてきました。

しかし、今回のアナリスト評価では、現在のバリュエーションについて「しばらくの間で最も魅力的な水準」とされています。これは、単に株価が下がったから割安になったという話ではありません。AI時代において、パランティアが他のソフトウェア企業とは異なるポジションを築きつつあると評価されている点が重要です。

多くのソフトウェア企業は、AIによって既存の機能が代替されるリスクを抱えています。一方で、パランティアはAIを脅威として受ける側ではなく、AIを企業や政府が安全に活用するための基盤を提供する側に立っています。この違いが、同社の高いバリュエーションを一定程度正当化していると考えられます。

エヌビディアとの提携が示す技術的優位性

今回の強気な見方を後押ししているもう一つの重要な材料が、エヌビディアとの新たな戦略的提携です。6月30日に発表されたこの提携では、米国政府向けにカスタムAIモデルを構築する取り組みが進められるとされています。

この提携は非常に重要です。エヌビディアはAI計算基盤の中核を担う企業であり、その技術は生成AIや大規模モデルの開発に不可欠です。そのエヌビディアと連携し、政府向けのAIモデル構築に関わるということは、パランティアの技術が高度なセキュリティと実用性を求められる領域で評価されていることを示しています。

パランティアの強みは、単なるデータ分析ソフトウェアにとどまりません。機密性の高いデータを扱い、政府や大企業がAIを安全かつ効果的に運用するためのインフラを提供できる点にあります。AI時代においては、モデルそのものだけでなく、データ、計算資源、セキュリティ、運用基盤を一体で管理する能力が重要になります。

CEOのアレックス・カープ氏がCNBCで語った「コンピュート、モデル、データスタックの制御権」という考え方は、まさにパランティアの事業領域を象徴しています。企業や政府がAIを本格導入するほど、単なるAIツールではなく、信頼性の高い運用基盤が必要になります。その需要を取り込める企業として、パランティアの存在感はさらに高まる可能性があります。

AIインフラ企業としての成長シナリオ

今回の「買い」格上げは、パランティアが単なるAI関連銘柄ではなく、AIインフラ企業として再評価され始めていることを示しています。

AIブームの初期段階では、半導体やクラウド、生成AIモデルを開発する企業に注目が集まりました。しかし、次の段階では、AIを実際の業務や政府機関の中でどう使うかが重要になります。ここで必要になるのが、データを統合し、意思決定に結びつけ、セキュリティを確保しながらAIを運用する仕組みです。

この領域は、パランティアが長年強みとしてきた分野です。特に政府向けビジネスでは、同社はすでに高い信頼を築いています。さらに、エヌビディアとの提携によって、AI時代の中核プレイヤーとの連携も明確になりました。

もちろん、リスクもあります。PERは依然として高く、成長期待が少しでも後退すれば株価は大きく調整する可能性があります。また、政府向け事業への依存度や、AI関連投資の過熱感にも注意が必要です。

それでも、今回の格上げは、パランティアの成長ストーリーが再び市場に評価され始めたことを示す重要な出来事です。高いバリュエーションだけを見て敬遠するのではなく、同社がAI時代にどのような役割を担うのかを見極める必要があります。

結論:パランティアはAI時代の中核企業になれるか

DA デビッドソンによる「買い」への格上げと目標株価175ドルへの引き上げは、パランティアに対する市場の見方が変わりつつあることを示しています。

同社は一時的なAIブームに乗る企業ではなく、AIを安全に運用するための基盤を提供する企業として評価され始めています。米国政府との関係、エヌビディアとの提携、そしてデータとAIを結びつける独自の技術基盤は、今後の成長を支える重要な要素です。

株価はすでに大きく反発しており、短期的には過熱感が出る可能性もあります。しかし、中長期的に見れば、パランティアがAIインフラの重要な中核を担い続ける限り、同社の競争優位性はさらに強まる可能性があります。

今回の格上げは、パランティア株の底打ちを示すシグナルであると同時に、AI時代における同社の本質的な価値を市場が再確認し始めた出来事といえます。

情報ソース: Barron’s: “Palantir Stock Is Surging Again. A Bullish Upgrade Adds to the Nvidia Momentum.” (By Kit Norton, July 02, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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