スノーフレイク株が時間外で急騰、AI時代のデータ基盤企業として再評価

2026年5月27日のマーケット終了後、データクラウド大手のスノーフレイク(SNOW)は2027年度第1四半期(4月30日終了)の決算を発表しました。

同社株は年初来でS&P 500指数が10%上昇する中、約20%下落しており、市場では成長鈍化への警戒感が強まっていました。しかし、今回の決算発表を受けて状況は一変します。決算内容が市場予想を大きく上回ったことに加え、アマゾン・ウェブ・サービスとの大規模な協業拡大が明らかになり、株価は時間外取引で36%急騰しました。

今回の反応は、単なる好決算への評価にとどまりません。市場はスノーフレイクを、AI時代における重要なデータ基盤企業として改めて評価し始めたと見ることができます。

2027年度第1四半期決算は市場予想を上回る内容

スノーフレイクの2027年度第1四半期決算は、売上高と利益の両面でウォール街の予想を上回りました。

売上高は前年同期比33%増の13 億9,000 万ドルとなり、市場予想の13 億ドルを上回りました。調整後1株当たり利益は0.39 ドルで、こちらも市場予想の0.32 ドルを上回っています。

一方で、非調整後ベースでは1株当たり0.86 ドルの赤字となりました。この点だけを見ると、依然として収益性に課題が残っているようにも見えます。しかし、現在のスノーフレイクは短期的な黒字化よりも、AI時代に向けた研究開発、インフラ拡張、顧客基盤の拡大を優先している段階にあります。

つまり、同社は利益回収よりも成長投資を重視するフェーズにあり、市場も今回の決算ではその成長力を評価した形です。

通期見通しも上方修正、成長継続への自信を示す

今回の決算で注目すべき点は、実績だけではありません。今後の見通しも市場予想を上回る強い内容となりました。

スノーフレイクは通期の製品売上高見通しを、従来の56 億6,000 万ドルから58 億4,000 万ドルへ上方修正しました。また、第2四半期の製品売上高についても14 億1,500 万ドルから14 億2,000 万ドルの範囲を見込んでおり、市場予想の13 億7,000 万ドルを上回っています。

この上方修正は、企業のデータ基盤への投資需要が依然として強いことを示しています。AIを本格的に活用するためには、企業内に散らばるデータを整理し、安全かつ効率的に利用できる環境が欠かせません。

スノーフレイクは、その中核となるデータクラウド基盤を提供しており、AIブームの裏側で必要とされる「土台」を担う企業として存在感を高めています。

アマゾン・ウェブ・サービスに60 億ドルを投じる大型契約

決算と同時に大きな材料となったのが、アマゾン・ウェブ・サービスとの協業拡大です。

スノーフレイクは今後5年間で、同社のAIインフラストラクチャーに対して60 億ドルを支出する契約を結んだことを明らかにしました。日本円では約9,000 億円規模に相当する巨額投資です。

スリダー・ラマスワミCEOは、この取り組みについて、企業がAIを自社データに直接導入しやすくすることが目的だと説明しています。スノーフレイクはすでに独自のAIソフトウェアやエージェント機能の提供を始めており、今回の投資はその基盤をさらに強化する動きといえます。

AI活用が進むほど、企業は大量のデータ処理能力を必要とします。スノーフレイクがAWS上で強力なインフラを確保することは、今後増加が見込まれるAIワークロードに対応するための重要な布石です。

60 億ドル投資が生み出す参入障壁

5年間で60 億ドルというインフラ投資は、単なるクラウド利用料の増加ではありません。これは、スノーフレイクが今後数年間でAI関連のデータ処理需要が大きく伸びると見ている証拠でもあります。

AI時代には、単にデータを保管するだけでは不十分です。企業はデータをリアルタイムで分析し、AIモデルやAIエージェントに活用できる形で運用する必要があります。そのためには、大規模な計算資源と安定したデータ処理環境が不可欠です。

スノーフレイクがAWSとの関係を深め、AIインフラを先行して確保することは、競合他社に対する大きな優位性になります。顧客に対して高速で安定したAIデータ処理環境を提供できれば、同社のプラットフォームに対する依存度はさらに高まります。

この点で、今回の60 億ドル投資は将来の成長を支えるだけでなく、競争上の参入障壁を築く戦略でもあります。

従量課金モデルはAI時代に強みを発揮する

スノーフレイクのもう一つの大きな強みは、消費ベース、つまり従量課金型の収益モデルにあります。

一般的なSaaS企業は、ユーザー数やライセンス数に応じて売上が増えるモデルを採用しています。しかし、AIエージェントが人間の業務を代替する時代になると、人間向けライセンスの需要が減少するリスクがあります。

一方、スノーフレイクの場合、売上の源泉はデータ利用量です。AIエージェントが大量のデータを分析し、処理し、何度も検証を繰り返すほど、スノーフレイク上でのデータ消費量は増加します。

つまり、AIが普及すればするほど、同社のプラットフォーム利用が増えやすい構造になっています。これは、AIによって売上が脅かされる可能性のあるソフトウェア企業とは対照的です。

市場が今回スノーフレイクを高く評価した背景には、このビジネスモデルの強さがあります。AIが人間の作業を置き換えるほど、データ処理需要はむしろ拡大し、スノーフレイクの成長機会が広がる可能性があります。

スノーフレイクはAI時代のインフラ企業へ進化できるか

今回の決算は、スノーフレイクが単なるデータウェアハウジング企業から、AI時代のデータインフラ企業へ進化しつつあることを示す内容でした。

売上高は市場予想を上回り、通期見通しも上方修正されました。さらに、AWSとの60 億ドル規模の協業拡大により、AIワークロード拡大に向けたインフラ面の準備も進んでいます。

もちろん、非調整後ベースで赤字が続いている点には注意が必要です。今後は、成長投資を続けながら、どのタイミングで利益率の改善を実現できるかが重要になります。

ただし、AI活用の前提となるデータ基盤への需要は今後も拡大すると考えられます。その中で、スノーフレイクが従量課金モデルと強力なクラウドインフラを武器に成長を続けられるかどうかは、投資家にとって重要な注目点です。

今回の株価急騰は、過去の下落からの単なる反発ではなく、AI時代におけるスノーフレイクの立ち位置が再評価された結果といえます。

情報ソース: Barron’s: “ Snowflake Stock Jumps 34%. How Amazon and an Earnings Beat Are Fueling the Gains.” (By Adam Levine and Kit Norton, May 27, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら スノーフレーク SNOW

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