異例の8日連続続落。アップルは「買い」の好機か、それとも長期停滞の入り口か?

2026年の幕開けとともに、ハイテク株の王者アップル(AAPL)が試練の時を迎えています。株価は2025年12月末から異例の8営業日連続続落を記録し、投資家の間では困惑が広がっています。

しかし、この市場の冷え込みとは対照的に、一部のアナリストは強気な姿勢を崩していません。目前に迫った決算発表を控え、現在の「売り」の波は一時的な過剰反応なのか、それともファンダメンタルズの変調を示唆しているのか。報じられた事実情報に基づき、独自の視点で分析します。

1. 記録的な連敗と市場の「過剰な悲観」

直近の市場で最も目を引くのは、アップル株が8営業日連続で下落し、累積で6.1%のマイナスを記録したという事実です。これは1991年以来の最長記録に迫る勢いであり、短期的なセンチメントが極めて悪化していることを示しています。

しかし、ここで注目すべきは、下落幅そのものは1日平均1%未満に抑えられており、パニック的な暴落ではないという点です。むしろ、12月29日を最後に上昇がないという「買い控え」の状況が続いています。市場は、1月29日に予定されている四半期決算の内容を極めて慎重に見極めようとしている、いわば「嵐の前の静けさ」にあると推測できます。

2. 「二桁成長」への回帰がもたらすインパクト

株価が低迷する一方で、アップルの業績見通しには力強い数字が並んでいます。会社側が提示した10%〜12%の収益成長予測は、達成されれば2022年度以来、実に数年ぶりの「二桁成長」への復帰を意味します。

特に重要なのは、需要が「高価格帯モデル」にシフトしているという分析です。iPhoneの販売台数が爆発的に伸びずとも、単価(ASP)が上昇することで収益性が向上するモデルが確立されつつあります。北米、中国、そして次なる成長エンジンであるインドでの需要が堅調であることは、世界的な景気減速懸念の中でもアップルのブランド力が健在であることを証明しています。

3. メモリ価格高騰という逆風を「回避」する供給網の力

現在、半導体業界ではメモリ価格が40%〜50%も急騰するという深刻なコスト増に直面しています。本来であれば、ハードウェアメーカーにとってマージン(利益率)を圧迫する大きな懸念材料です。

ここでアップルの「防御力」が光ります。同社は長期の供給契約を締結しており、さらに主要コンポーネントの内製化能力を持っています。競合他社が部材コストの高騰に苦しむ中、アップルがこのコスト増を回避できれば、相対的な競争優位性はさらに高まります。エバコア ISIが目標株価を330ドルへと引き上げた背景には、こうした「サプライチェーンの支配力」への信頼があると考えられます。

4. 2026年後半に見える「影」と投資判断

一方で、楽観視できないデータもあります。米国みずほ証券が予測する「2026年のiPhone販売台数8%減」という数字です。スマートフォン市場全体の成熟と、消費者の価格感応度の高まりは無視できないリスクです。

短期的には1月末の決算発表が強力なカタリスト(株価浮揚のきっかけ)となる可能性が高いものの、2026年後半に向けては「販売台数の減少を、高単価モデルと内製化によるコスト削減でどこまで補えるか」が真の焦点となりそうです。

結論

現在の8日連続の下落は、歴史的な記録というインパクトはあるものの、ファンダメンタルズとの乖離が生じている可能性を否定できません。特に二桁成長への復帰が現実味を帯びている現状では、1月29日の決算発表は、市場の悲観論を打ち消す絶好の舞台となるかもしれません。


情報ソース: Barron’s: “Apple Stock Continues Its Brutal Losing Streak. Why It Remains Evercore’s ‘Top Pick.’”(By Nate Wolf, Jan. 09, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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