2026年の幕開けに際し、昨年の米国株市場を振り返ると、最も劇的な評価の転換を遂げた銘柄の一つは間違いなくアルファベット(GOOGL)です。一時はChatGPTやパープレキシティといった競合AIの台頭により「検索王者の終焉」さえ囁かれましたが、昨年末に発表された最新のデータはその懸念を過去のものとしつつあります。バロンズ誌が報じたアナリストの分析に基づき、2026年における同社の将来性を独自の視点で分析します。
1. 「検索の代替」ではなく「検索の進化」への成功
投資家が最も恐れていたのは、AIチャットボットが従来のグーグル検索をリプレイス(置き換え)してしまうことでした。しかし、シチズンズのアナリスト、アンドリュー・ブーン氏が昨年末に指摘した事実はその逆を示しています。
最新モデル「Gemini 3」の投入や、「AI Mode」「Overviews」といった新機能の実装により、ユーザーの検索体験は「単なるリンク探し」から「複雑な問いへの回答獲得」へと進化しました。事実として、AIツールの導入後もグーグルの利用率は一定を保っており、むしろ回答の関連性が高まったことでユーザーのエンゲージメント(関与度)が向上しているという点は、同社の強固な堀(経済的溝)が健在であることを証明しています。
2. どん底からの「V字回復」が示す市場の信頼
昨年の株価推移を振り返ると、アルファベットの底力が鮮明になります。2025年4月には、規制リスクやAIインフラへの巨額投資、競合への懸念から52週安値144.70ドルを記録しました。その後、株価は着実に回復し、2025年12月31日の最終取引日は前日比0.27%安の313ドルで終えましたが、年間では約66%という大幅な上昇を達成して新年を迎えました。
このV字回復は、単なる地合いの良さではなく、同社が「AIへの巨額投資を、いかに収益に結びつけるか」という問いに対し、具体的なプロダクトで回答を示した結果と言えます。2009年以来最高のパフォーマンスで昨年を終えた事実は、投資家がアルファベットを「AIの後回し企業」から「AIの先導者」へと再定義した証拠です。
3. バリュエーションと「23%」の期待値
現在、シチズンズのアナリストはアルファベットの目標株価を385ドルに設定しています。これは昨年末の終値313ドルから換算すると、さらに約23%の上昇を見込んでいることになります。
2026年の懸念材料があるとすればバリュエーションです。現在の予想PERは27.9倍と、過去5年平均の21.7倍を上回っています。これを「割高」と見るか、「成長フェーズの変化によるプレミアム」と見るかが分かれ道ですが、前述のエンゲージメント向上による堅牢な検索収益の成長が継続するならば、このPERは正当化される可能性が高いと考えられます。
結論:リスクを飲み込む「AIの追い風」
もちろん、トランプ政権下の関税リスクや、依然として高い規制当局の監視など、不透明な外部要因は存在します。しかし、アルファベットが自ら生み出したAIの波が、自社の既存ビジネスを破壊するのではなく、むしろ加速させているという事実は、中長期的な成長を確信させるに十分な根拠となり得ます。
「検索のグーグル」から「AI検索のグーグル」へ。2026年、その移行はデータが示す通り、極めて順調に進んでいくと考えられます。
情報ソース: Barron’s: “ Alphabet Stock Can Rise Another 22%, Analyst Says. Here’s Why.” (By Angela Palumbo, Dec. 31, 2025)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
*過去記事 アルファベット GOOGL
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