AIソフトウェア企業のビッグベアAI・ホールディングス(BBAI)が2025年第3四半期決算を発表しました。米投資情報誌バロンズによると、同社の決算は市場予想を上回り、純利益が黒字に転じました。これは同社にとって史上2度目の四半期黒字となり、収益構造の改善が進んでいることを示しています。AI関連企業の中でも、実際に利益を出している点が投資家の注目を集めています。
防衛AI分野の「Ask Sage」を買収
同社は同時に、防衛・国家安全保障機関向けの生成AIプラットフォーム「Ask Sage」を買収すると発表しました。Ask Sageは10万人を超えるユーザーを抱える有力なプラットフォームで、既に多くの政府機関や企業で利用されています。今回の買収により、ビッグベアAIは防衛・政府向けAI分野でのプレゼンスをさらに強化し、成長を加速させる狙いです。
パランティアとの違いと市場評価
バロンズ誌は、ビッグベアAIが防衛AIの最大手であるパランティア・テクノロジーズ(PLTR)とは異なる戦略をとっている点に注目しています。パランティアが大規模な政府契約に注力しているのに対し、ビッグベアは国境警備や生体認証システムなど、より特化した分野で成長を目指しています。この違いが市場から評価されており、一部のアナリストは同社株の目標株価を引き上げ、「買い」推奨を維持しています。
防衛関連セクターへの追い風
2025年は防衛関連銘柄全体が堅調に推移しています。政府の歳出拡大やAIを活用した安全保障技術への関心の高まりが、同社にとって追い風となっています。防衛産業におけるAI導入は今後も加速するとみられ、ビッグベアAIはその中心的な存在になりつつあります。
高い株価変動性というリスク
一方で、同社株はボラティリティ(株価変動性)が非常に高い点も指摘されています。競合のパランティアよりも値動きが大きく、短期的な投資にはリスクが伴います。また、Ask Sageの買収は成長のチャンスであると同時に、経営統合のコストやシナジー実現の不確実性といった課題もあります。ビッグベアAIが安定した黒字基盤を維持できるかどうかが、今後の焦点となります。
独自の成長軌道を描くビッグベアAI
ビッグベアAIは「防衛AI×政府契約」というニッチ分野で独自のポジションを築いています。AIと防衛技術の融合が進む中、同社がどの程度パランティアとの競争で存在感を高められるかが注目されています。今後の業績と買収効果が株価を左右する重要な要因になりそうです。
参考記事:Barron’s “BigBear Stock Jumps After Defense Deal. It Could Be a Mini-Palantir.” (Nov 11, 2025)
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