エヌビディアに関する2021年の予測は当たったのか?2025年7月時点で検証する

2021年、当ブログ「米国株投資で幸せ作り」ではエヌビディア(NVDA)に関する複数の記事を公開しました。AIやGPU市場の未来、データセンター事業の成長、ロボティクスへの進出など、さまざまな観点から同社の将来性を分析しました。

この記事では、それらの内容が2025年7月時点でどの程度現実となっているのかを検証し、米国株投資における「公開情報活用」の有効性について考察します。

データセンター事業の急成長予測

予測内容(2021年6月)
バンク・オブ・アメリカのアナリスト、Vivek Arya氏は、エヌビディアのデータセンター部門が2025年までに売上を現在の3倍に成長させる可能性があると指摘していました。
*「エヌビディア データセンター事業3倍で株価900ドルの可能性

現状(2025年7月)

  • 2025年4月期(FY25 Q1)決算では、データセンター向けGPUが全体の成長を牽引し、売上高は前年同期比 +69.2%、約440億ドルに達している状況 。
  • 2020〜2024年の通期売上高は、167億ドルから1,304億ドルへ約8倍に急拡大されたことを考えると、3倍成長という見通しを大きく上回る実績を示しています。

評価:予測は実際の成長をさらに上回るレベルで的中しました。


ディスクリートGPU市場での圧倒的優位

予測内容(2021年8月)
Jon Peddieによる市場分析では、エヌビディアがディスクリートGPU市場で約80%のシェアを保持し、RTX 30シリーズはAMD製品を圧倒していると報じられていました。
*「エヌビディア 卓越した成長は長期にわたって続く

現状(2025年7月)

  • 2025年7月時点でも、エヌビディアのGPUは業界標準であり続けています。最新「ブラックウェル・ウルトラ」チップ群は、デルやコアウィーブにより大規模商用展開され、AIや生成AIのインフラ基盤として広く採用中。
  • AMDとの性能面の優位性は継続されており、サーバー~クラウドGPU市場でも支配的地位を維持しています。

評価:市場支配とパフォーマンス優位は引き続き現実。


オムニバース(仮想プラットフォーム)の成長機会

予測内容(2021年11月)
ジェンセン・フアンCEOは、3D仮想世界を構築するソフトウェア基盤「オムニバース」が未曾有の成長機会であると強調していました。
*「エヌビディア オムニバースが最大の成長機会になる可能性

現状(2025年7月)

  • 最新記事ではAIチップやロボティクス、インフラが焦点となっており、オムニバースについての取り上げは少ないものの、NVIDIA Omniverseは現在も継続的にアップデートされ、専門領域(シミュレーション/建築/製造業など)で導入が進んでいます。
  • 仮想プラットフォームとしての市場認知は深まっていますが、同社全体の成長戦略としてはAIとデータセンターが主役となっています。

⚠️ 評価:潜在力は現実化しつつあるものの、データセンターやAIほどのインパクトは現時点で限定的です。


ロボティクス・自動運転への進出

予測内容(2021年11月)
ジェンセン・フアンCEOは、AI搭載のロボットアバターが小売店でレジや商品案内を担い、Eコマースや物流、工場・都市のデジタル複製によって業務効率化に役立つインフラになる可能性を語っていました。
*「エヌビディア オムニバースが最大の成長機会になる可能性

現状(2025年7月)

  • 本年には「ロボット革命」が新たな成長軸として浮上。スウェーデン企業HexagonとのAEONヒューマノイド共同開発が表沙汰になっています。
  • 自動運転向けパートナーシップも継続して拡大中で、AI車載チップやデータセンター向けサポートを通じて複数の車メーカーと連携しています 。

評価:ビジョンは着実に現実のビジネスとして動き始めています。


株価上昇と時価総額の成長

予測内容(2021年12月)
2021年の記事では、2021年の株価が138%上昇し、FAANGsに匹敵するとまで評価されていました。
*「エヌビディア ネットフリックスに代わってFAANGsに入るべきビックテック

現状(2025年7月)

  • 2025年7月には時価総額が約3.85兆ドルに達し、4 兆ドル目前。株価も年初来+19%成長と、安定した上昇トレンドにあります。

評価:長期的な株価成長を予測する記事は完全に的中しました。


🔍 総評まとめ

検証項目的中度
データセンター事業の成長◎(予測超え)
GPU市場支配◯(継続中)
オムニバース事業△(現状では限定的)
ロボティクス/自動運転◯(着実に進展)
時価総額・株価成長◎(予測どおり継続)

2021年時点の予測は、全体的に非常に高い精度で未来を捉えていました。特に「データセンター」「AIチップ」「自動運転・ロボット革命」に関する見通しは、実際の成長スピードを上回るほど現実となり、株価上昇にも強く裏打ちされています。オムニバースの今後にも要注目です。


結論

2021年に掲載された当ブログの記事は、AI時代を象徴するエヌビディアの未来を極めて高い精度で予測していたことが、2025年7月現在の状況から明らかになりました。

特に「データセンター」「AIインフラ」「ロボティクス」「株価上昇」といった主要分野において、予測は驚くほど現実化し、それが株価パフォーマンスにも直結しています。

重要なのは、本記事が特別な情報源を使ったものではなく、当時誰でも入手できた米国メディアの報道やアナリストの分析に基づいて作成されていたという点です。つまり、公開情報を適切に読み解くことで、誰でも成果を上げられるのが米国株投資の魅力であることを、この検証が証明しています。

エヌビディアの事例は、情報の「早さ」ではなく、「理解」と「信念」、そして中長期の視点に基づく投資判断が成果に直結することを私たちに教えてくれます。

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