テスラ株が急落!トランプ大統領とマスク氏の対立が波紋広げる

2025年6月5日、テスラ(TSLA)の株価は前日比で16.7%下落し、午後の取引で276ドル台まで急落しました。これにより、過去5営業日のうち4日で株価が下落したことになります。

トランプ大統領とマスクCEOの対立が株価に影を落とす

今回の急落の背景には、トランプ大統領とテスラCEOイーロン・マスク氏の間で激化する政治的対立があります。マスク氏は、トランプ政権が推進した大型の減税・歳出法案を厳しく批判し、「この法案を支持した政治家は解任されるべきだ」とSNS上で発言しました。

さらにマスク氏は、「私がいなければトランプは選挙に敗北し、下院は民主党が、上院も共和党が劣勢だった」と投稿。これに対しトランプ大統領は、「私はイーロンを大いに支援してきた。彼には失望している」とコメントしました。

トランプ氏は自身のSNS「Truth Social」でも「イーロンは限界に来ている」と述べ、EV購入義務の撤廃に言及しつつ、「彼は狂ってしまった」と非難しました。

EV優遇策の見直し懸念と規制収入への影響

トランプ大統領は、電気自動車に対する連邦税控除の廃止を示唆しています。また、カリフォルニア州による大気汚染物質の独自規制に連邦政府が異議を唱える構えを見せており、これがテスラの収益の一部を占める「規制クレジット」収入に打撃を与える可能性があります。

これらの優遇措置は自動車業界全体に影響するものの、テスラは特にその恩恵を受けていたため、影響はより深刻と見られています。

ドイツでの販売不振もネガティブ材料に

さらに、テスラの業績自体にも不安が広がっています。2025年5月のドイツでの販売台数は前年同月比で36%減少。これにより、同社の販売力に対する投資家の懸念が強まり、マスク氏の政治的発言が企業業績に悪影響を与えているとの見方も出ています。

自動運転ソフトの事故報道も重しに

株価下落には、自動運転ソフトウェアを巡るネガティブな報道も影響したと見られます。2023年に発生した死亡事故に関する報道が6月5日に再び注目を集め、今月テキサス州オースティンで始まる予定のロボタクシーサービスに対する期待感を冷やす要因となりました。

当該事故で使用されていたソフトは完全な自動運転ではなく、ドライバーによる常時監視が求められるバージョンでした。マスク氏は2025年4月の決算説明会でも、グレア(眩しさ)などセンサー面での課題を認めています。

利益確定売りも影響、今後のロボタクシー発表に注目

今回の下落には、利益確定の動きも含まれていると考えられます。テスラ株は4月の決算発表以降、約45%も上昇しており、一部の投資家が利益を確定する動きに出た可能性があります。

今後、テスラが本格展開を目指すAIベースのロボタクシー事業は、同社の成長戦略の中核をなす存在です。その正式発表がなされるタイミングでは、再び株価が大きく動く展開も予想されます。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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