米国株市場において、リスクを取ることで大きなリターンを狙う「ロングショット」銘柄が注目されています。Bespoke Investment Groupが発表した「ロングショット株アイデア」リストには、10倍以上のリターンが期待される小型株が多数含まれています。これらの銘柄は、ポートフォリオの中核ではなく、あくまで高リスク・高リターンを狙う投資家向けの選択肢として位置づけられています。
以下では、特に注目されている業務内容に焦点を当て、それぞれの成長可能性を概観します。
AI関連銘柄の注目株
サウンドハウンドAI（SOUN）
音声認識技術の先駆者であるサウンドハウンドは、2024年に株価が約700％上昇し注目されました。同社は、チポトレやクリスピー・クリームといった大手レストランチェーンと提携し、注文業務を効率化するAI音声アシスタントを導入。さらに、エヌビディアのDrive AGXプラットフォームとの統合により、自動車分野での展開も進行中です。
＊過去記事「【決算速報】サウンドハウンドAI、売上急増でも株価続落…今後の成長シナリオは？」
エアシップAI（AISP）
エアシップAIは、公共安全や交通監視向けにAIを活用した監視・セキュリティソリューションを提供しています。同社の「Outpost AI」や「Acropolis」などのプラットフォームは、リアルタイム映像解析とデータ管理を融合し、法執行機関向けに高度な状況認識を可能にします。
イノデータ（INOD）
イノデータは、AI・機械学習モデルの構築に不可欠な高品質データの収集・注釈付け・処理サービスを提供し、企業のAI導入を支援。特にデジタルトランスフォーメーションの推進において、効率的なデータインフラ構築を支援することで成長が見込まれます。
パラダイムAI（PDYN）
パラダイムAIは、生成AI技術を活用して、バーチャルヒューマンやデジタルコンテンツの制作を自動化するソリューションを提供。特にエンターテインメント業界向けに特化しており、コンテンツ制作の効率向上に貢献しています。
レッド・バイオレット（RDVT）
レッド・バイオレットは、クラウドベースのリスク分析・顧客識別プラットフォームを通じて、詐欺の検出、リスク軽減、KYCプロセスの最適化を行う企業。金融機関や保険業界での活用が広がっています。
リッチテック・ロボティクス（RR）
リッチテック・ロボティクスは、飲食業や医療現場向けのサービスロボットを開発。「Matradee」や「Medbot」など、自律走行型のロボットが料理や物品の配送業務を担うことで、人手不足対策と業務効率化を図っています。
シンボティック（SYM）
シンボティックは、物流倉庫向けの自動化システムを提供。AI搭載のロボットを活用し、仕分け・保管・パレット積載を自動化。ウォルマートやターゲットとの提携により、急成長中の物流自動化分野の中核企業と位置づけられます。
防衛関連銘柄の注目株
クレイトス・ディフェンス＆セキュリティ（KTOS）
クレイトスは、無人航空機や極超音速兵器を含む次世代兵器システムを開発。特に米国防総省との契約に基づき、試験用UAVやロボティックシステムを提供し、防衛分野の自動化と技術革新に貢献しています。
マーキュリー・システムズ（MRCY）
マーキュリー・システムズは、セキュリティ重視の軍用組み込みコンピュータやセンサーシステムを設計。防衛、航空宇宙分野に特化したミッションクリティカルな製品を提供し、重要な技術パートナーとしての地位を築いています。
その他の注目銘柄
ビシェイ・プレシジョン・グループ（VPG）
ビシェイは、高精度の力センサー、ストレインゲージ、計量システムを製造。自動車、航空、医療機器業界など幅広い産業でのセンシングニーズに対応しています。
アンプリウス・テクノロジーズ（AMPX）
アンプリウスは、高密度・高出力のシリコンアノードバッテリーを開発し、電動航空機やEV市場で注目を集めています。従来型リチウムイオンバッテリーを凌駕する性能により、軍事・航空用途での採用も進んでいます。
ストライド（LRN）
ストライドは、幼稚園から高校までのオンライン教育プログラムを提供。加えて、成人教育やキャリア訓練プログラムも展開し、個別化された学習体験を通じて教育の多様化を促進しています。
ペドケオ・エデュケーション（PRDO）
ペドケオは、実務に直結する高等教育プログラムをオンラインで提供する企業。働きながら学ぶ学生層を中心に、柔軟で成果志向の教育環境を提供しています。
オロ（OLO）
オロは、レストラン向けに注文、決済、配達を一体化したSaaSプラットフォームを提供。チェーン店を中心に、飲食業のデジタルシフトを支援しています。
ライフ・タイム・グループ（LTH）
ライフ・タイムは、会員制の高級フィットネスクラブを全国で展開し、健康・ウェルネスを重視した統合施設を提供。フィットネスに加え、スパ、栄養指導、教育サービスを含む統合型ライフスタイルを提案しています。
これらの銘柄は、それぞれが独自の成長ストーリーと市場優位性を持つ一方、収益の安定性や資金調達面にリスクを伴います。投資に際しては、業務内容、財務状況、業界動向を総合的に分析し、適切なリスク管理と分散投資の観点から検討することが重要です。