エアビーアンドビーが“ホテル超え”に挑戦!新サービスと著名人イベントの全貌とは?

米国のバケーションレンタル大手、エアビーアンドビー(ABNB)は5月13日、旅行需要の鈍化が懸念される中、新たな戦略を発表しました。同社は単なる宿泊プラットフォームにとどまらず、現地体験や著名人との交流イベント、さらにはシェフによる自宅での食事提供など、多岐にわたるサービスを展開します。

エアビーアンドビーの最高経営責任者(CEO)であるブライアン・チェスキー氏は、ロサンゼルスで行われたプレゼンテーションで「ホテルには私たちにないものがある。それがサービスだ」と語り、同社の方向性を示しました。

新サービスの内容と価格設定

今回発表された新サービスは、マッサージやスパ・トリートメント、ヨガ、ヘアメイク、ケータリングといった生活密着型のものから、ルチャリブレのトレーニング、ノートルダム大聖堂の修復見学、ポップスターのサブリナ・カーペンターとのイベント、NFL選手パトリック・マホームズとのバーベキュー、さらにはラッパーのミーガン・ザ・スタリオンによるアニメイベントまで、多彩な体験が用意されています。

これらのサービスは世界中の数百都市で提供され、「多くが50ドル以下」で楽しめるとエアビーアンドビーは発表しています。利用者は宿泊を伴わずにこれらのサービスを予約できる点も特徴です。

アプリ刷新とホスト募集の強化

加えて、同社はアプリのホームページを大幅に刷新し、旅行のスケジュール管理や新規ホスト、体験提供者の募集機能を強化しました。「あなたの街で何か特別なことを共有できる方は、ぜひ応募してください。好きなことで収入を得るチャンスです」とチェスキー氏は呼びかけています。

経済不安が消費者心理に影響、エアビーアンドビーの挑戦

米国の経済政策が世界貿易に与える影響や、消費者心理の不安定さが旅行需要に影響を及ぼしています。特に、低所得層の消費者は休暇計画を見直す傾向が強まっています。ただし、旅行自体を完全に取りやめるのではなく、より手頃な価格帯や近場への旅行にシフトする動きが見られます。

エアビーアンドビーは、これらの新サービスを通じて、宿泊以外の収益源を確保しようとしています。都市部での規制や住居不足問題への対策としても、新たなアプローチが求められている状況です。

競争激化と差別化の課題

大手ホテルチェーンであるマリオット・インターナショナル(MAR)やヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)もバケーションレンタル事業を拡大しており、競争は激しさを増しています。旅行情報サイト「ナードウォレット」のサリー・フレンチ氏は、エアビーアンドビーがかつて「安価でコミュニティ主導のホテル代替」として人気を博したものの、近年は清掃料金やチェックアウト手続きの煩雑さ、品質のばらつきにより、ホテルより高額になるケースも増えていると指摘します。

それでも「ユニークな家や地元の雰囲気、家族やグループ向けの複数ベッドルームスペースへの需要は根強い」と述べており、エアビーアンドビーのブランド価値は依然として高いことが伺えます。

株価動向と今後の展望

今回の発表を受け、エアビーアンドビーの株価は2.9%上昇しました。しかし過去1年でみると、同社の株価は5.9%下落しています。今年初めには「旅行のワンストップショップ」化を目指す方針を打ち出しましたが、米国経済の不透明感が影響し、宿泊予約数の伸び鈍化を予測しています。

今後、エアビーアンドビーがどのように新サービスを浸透させ、競争優位を確立していくのかが注目されます。

*過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB

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