人工知能(AI)関連銘柄として注目されるソフトウェア企業、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価が4月23日の米国市場大きく上昇しました。同社株は7.27%高の100.82ドルで取引を終え、2月19日以来の高値圏に入りました。
米中貿易摩擦の緩和が好感材料に
株価上昇の背景には、米国と中国の貿易摩擦が緩和するとの期待があります。ドナルド・トランプ大統領は、中国からの輸入品にかかる現在の関税率145%について「非常に高いが、それほど高い水準ではなくなる。大幅に下がる」と述べ、市場はこれを好感しました。
この発言により、投資家心理が改善し、全体相場も上昇しました。S&P 500は1.7%高の5,375.86で、ダウ工業株30種平均も1.1%高の39,606.57で取引を終えました。
AI分野での存在感が株価を支える
パランティアは、AIを活用したデータ分析ソリューションで知られており、米国防総省をはじめとする政府機関での導入実績があります。今年初めには、同社CEOのアレックス・カープ氏が「AI革命の中心における当社の立場を強化する」と語り、その注力度が改めて注目されました。
最近では、NATOの通信情報機関がパランティアのMaven Smart Systemを導入したことも明らかになっています。このシステムは、AIを用いて膨大なデータを収集・分析するものです。
他のAI関連企業の好決算も追い風に
同日の株価上昇には、他のAI関連銘柄の好調な決算発表も影響しています。データセンターインフラ関連企業バーティブ・ホールディングス(VRT)は、第1四半期決算でAI導入の加速を背景に好業績を発表し、株価は8.6%上昇しました。
また、エヌビディアのシステムに用いられるケーブルやコネクタを製造するアムフェノール(APH)も、予想を上回る決算を発表し、8.2%上昇しました。
パランティアの次の決算発表に注目
パランティア・テクノロジーズの第1四半期決算は5月5日に予定されています。これまでの株価上昇と同様に、AI市場の成長性や政府契約の進捗に対する投資家の関心が高まっており、今後の業績発表にも注目が集まります。
*過去記事はこちら パランティア PLTR