米国のバケーションレンタル大手エアビーアンドビー（ABNB）は、2025年第1四半期の売上予測がウォール街の市場予想には若干届かなかったものの、旅行需要は依然として安定しており、昨年達成した成長を維持する見込みであると発表しました。
2月13日のマーケット終了後の発表を受け、エアビーアンドビーの株価は13日の時間外取引で14％上昇しました。同社は旅行需要の変化に対応しながらも、新たな成長戦略を打ち出し、事業の拡大を続けています。
エアビーアンドビーの第1四半期の売上予測と市場予想
エアビーアンドビーは、第1四半期の売上を22億3000万ドル〜22億7000万ドルと見込んでいます。これは、ファクトセットが調査したアナリスト予想である22億9000万ドルを下回る水準となっています。
また、同社は予約宿泊数の伸びが「比較的安定した水準」で推移するとの見通しを示しました。これは、旅行需要がブーム後の平準化を迎えつつも、一定の需要を維持していることを反映しています。
収益性の維持と成長への投資計画
エアビーアンドビーは、事業の成長へ積極的に投資を行いながらも、収益性を維持する姿勢を示しています。調整後の利払い・税引き・減価償却前利益（EBITDA）率は「少なくとも34.5％」と予測しており、収益の安定性を強調しました。
さらに、2025年後半には新規事業の立ち上げと拡大を進めるために、2億ドル〜2億5000万ドルの投資を計画しています。ただし、この新事業の詳細については明らかにしていません。
エアビーアンドビーの経営陣は株主宛の書簡の中で、
「2024年、我々は旅行業界の成長を上回ることに成功し、2025年にはこの勢いをさらに加速させることを目指している」
と述べ、引き続き積極的な成長戦略を進める姿勢を示しました。
エアビーアンドビーの第4四半期決算：市場予想を上回る結果
2024年第4四半期の決算は市場予想を上回る結果となりました。
- 売上：24億8000万ドル（前年同期比12％増）
- 1株当たり利益：73セント
- 総予約金額：176億ドル
ファクトセットが調査したアナリストの予想では、
- 売上は24億2000万ドル
- 1株当たり利益は58セント
- 総予約金額は172億4000万ドル
とされていましたが、エアビーアンドビーはこれらの予測をすべて上回りました。
エアビーアンドビーの成長戦略と今後の展望
エアビーアンドビーは、旅行需要が一時的なブームを経て平準化する中、さらなる成長を目指しています。同社は以下のような取り組みを進めています。
- 宿泊施設の検索性向上：旅行者がより簡単に宿泊先を見つけられるようにする
- ホスト支援の強化：新規ホストの参入を促し、収益機会を提供する
- 国際市場の拡大：成長が見込まれる地域でのシェア拡大
- ホテル業界への競争力強化：より柔軟な休暇オプションを提供し、ホテル市場の顧客を取り込む
このように、エアビーアンドビーは既存のサービスを強化しつつ、新たな市場への展開を進めることで、2025年以降も成長を維持する方針です。
まとめ
エアビーアンドビーは、2025年第1四半期の売上予測が市場予想をやや下回ったものの、全体的な旅行需要は堅調に推移しています。2024年第4四半期の決算は市場予想を上回り、成長の継続性を示しました。
また、同社は新規事業への投資を進めつつ、利益率を維持する方針を示しており、今後の展開が注目されます。国際市場への拡大や宿泊検索の利便性向上などの戦略を通じて、さらなる成長を目指しています。
2025年もエアビーアンドビーは旅行市場の中で存在感を高め、投資家にとって注目の企業であり続けると考えられます。
＊過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB