ペイパルの株価が急落、業績予想を上回るも市場の期待に届かず

ペイパル(PYPL)は、2024年第4四半期の決算で売上と利益が市場予想を上回る好業績を発表しました。しかし、株価は発表後に大幅に下落し、市場の期待を超えることができませんでした。

ペイパルの株価が急落、約1年ぶりの大幅下落

フィンテック企業のペイパルの株価は、決算発表後の2月4日の米国市場で13.17%下落し、77.72ドルで取引を終えました。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、これは1日あたりの下落率として約1年ぶりの大きさとなります。

JPモルガンのアナリストであるティエンティン・フアン氏は、ペイパルの下落はS&P500が3%上昇する中で、ペイパルの株価が前回の四半期報告から12%上昇していたため、投資家が利益確定に動いたことが一因だと分析しています。

米国みずほ証券の評価とブランド化決済ボリュームの成長鈍化

米国みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレブ氏は、ペイパルを「アウトパフォーム」と評価し、目標株価を100ドルと設定しました。しかし、株価の下落要因としてブランド化された総決済ボリュームの成長率が6%にとどまり、目標に届かなかったことを指摘しています。

特に「ブランド化されたチェックアウトボタン」の健全性が、ペイパルの将来において重要な議論のポイントになっています。この指摘は、競争の激化するフィンテック市場において、ペイパルが引き続き成長を維持できるかどうかに関する懸念を示しています。

第4四半期決算の概要

ペイパルの2024年第4四半期の決算は以下の通りです。

  • 調整後1株当たり利益(EPS):1.19ドル(市場予想の1.12ドルを上回る)
  • 売上:83億7000万ドル(市場予想の82億6000万ドルを上回る)
  • 決済総額:7%増の4378億ドル
  • 取引マージン:7%増の39億ドル

これらの結果から、ペイパルは引き続き成長を続けているものの、一部の成長指標が市場の期待を満たすことができなかったため、投資家の売り圧力が高まりました。

2025年に向けた成長戦略と業績見通し

ペイパルのアレックス・クリス最高経営責任者(CEO)は、「2024年の初めに焦点を絞り、実行力を強化し、事業の位置づけを変える取り組みを開始した」と述べています。そして、「1年後には、会社の最も重要な分野で長期的かつ収益性の高い成長のための強固な基盤を築くことができた」と自信を示しました。

また、「ブランド化されたチェックアウト、ピアツーピア決済、ヴェンモの改善に加え、価格対価値戦略の進展が業績に反映され始めている」とし、2025年に向けたさらなる成長に期待を寄せています。

ペイパルの2025年第1四半期の見通しは以下の通りです。

  • 調整後1株当たり利益(EPS):1.15ドル~1.17ドル(市場予想の1.13ドルを上回る)
  • 取引マージンのドル成長率:4%~5%

また、2025年度の通期見通しとしては、調整後利益を4.95ドル~5.10ドルと予想しており、市場予想の4.90ドルを上回る見通しを示しています。取引利益率のドル成長率も4%~5%を見込んでいます。

自社株買い戻しプログラムの発表

ペイパルの取締役会は、新たに150億ドルの自社株買い戻しプログラムを承認しました。これは、株主還元の強化と株価の安定化を目的とした取り組みです。

まとめ

ペイパルは2024年第4四半期の決算で市場予想を上回る業績を発表しましたが、株価は急落しました。ブランド化された決済ボリュームの成長が市場の期待に届かなかったことや、株価がすでに上昇していたことが下落の要因となりました。

しかし、2025年の業績見通しは市場予想を上回るものであり、新たな成長戦略も進行中です。さらに、150億ドルの自社株買い戻しプログラムが発表されたことで、株主にとっては長期的な利益が期待されます。

ペイパルの今後の動向に引き続き注目が集まりそうです。

*過去記事はこちら ペイパル PYPL

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