2024年市場の注目セクター:ソフトウェア株と半導体株

2024年の市場では、ソフトウェア株と半導体株が投資家の関心を集めています。ソフトウェア株は、IT支出の改善の兆しを背景に人気が高まりつつあり、特に企業の技術投資に依存する企業にとって追い風となる見込みです。一方、半導体株は、夏季に力強いパフォーマンスを見せたものの、年末にかけてその勢いがやや鈍化しており、今後の展開に注目が集まっています。

UBSの予測:IT支出の回復が市場の鍵に

投資銀行UBSは、IT支出が回復の兆しを見せていると報告しており、これは特にソフトウェア企業にとって有利な環境を作り出しています。企業が技術投資を再度拡大する可能性が高まっており、UBSのアナリスト、カール・キースティード氏は、こうした背景を踏まえ、データドッグ(DDOG)の投資評価を「中立」から「買い」に引き上げました。また、目標株価も125ドルから150ドルに上方修正しており、これは現在の株価から17%の上昇が期待されるとしています。

データドッグはクラウドベースのモニタリングおよび分析プラットフォームを提供する企業で、2024年に入ってから株価は5.6%上昇していますが、これはS&P 500種指数の23%増加を大きく下回る水準です。多くのソフトウェア企業は、金利上昇やインフレの影響でIT支出削減を余儀なくされましたが、今後は金利低下と物価安定によりソフトウェアセクターが再び活性化する可能性が高まっています。

データドッグとサービスナウの成長見通し

UBSの調査によれば、データドッグや競合のサービスナウ(NOW)の成長率は、今後数四半期にわたって改善する可能性があると見込まれています。キースティード氏は、2025年にはデータドッグの売上成長率が26%、2026年には25%に達すると予測しており、これはウォール街のコンセンサス予想(23〜24%)を上回る数値です。これによりデータドッグが市場の注目を集める一方で、サービスナウも堅調な業績を維持することが期待されています。

ソフトウェア株の期待と反発

ソフトウェア業界全体についても、投資家は今後の回復を期待しています。10月には、iShares Expanded Tech-Software Sector ETFが3.3%上昇し、ソフトウェア株が再び勢いを取り戻している兆候が見られます。一方、半導体セクターは同期間で1.2%の上昇にとどまっています。2024年に入ってからソフトウェア株は14%の上昇を見せた一方、半導体株は25%の増加を記録しており、両セクターの今後の動向に目が離せません。

半導体株の現状と今後の展望

半導体株は2023年夏に好調だったものの、現在はバリュエーションの高さを懸念する投資家が一部撤退し、より小型株へのシフトが見られています。先週、半導体メーカーASMLは決算報告を誤って早期発表し、期待を下回る業績見通しがAIチップ需要への懸念を引き起こしました。しかし、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)が通年の売上予想を上回る結果を発表したことで、半導体株への懸念は一時的に緩和されています。

今後、さらに多くの半導体およびソフトウェア企業が業績を発表する予定であり、投資家はどちらのセクターが市場のリーダーとなるかを注視しています。特に、IT支出の回復が加速すれば、ソフトウェア企業が半導体企業を上回る展開が予想されます。

まとめ

ソフトウェア株と半導体株の競争は激化しており、2024年の市場でどちらが優位に立つかは依然として不透明です。ただし、IT支出の回復が進むことで、ソフトウェア株が再び市場の焦点となる可能性があります。投資家は、今後の業績発表を注意深く見守りつつ、ポートフォリオの見直しを検討する必要があります。

今後の市場動向では、IT支出の回復や金利、インフレの推移がソフトウェアおよび半導体株の将来を左右する重要な要素となりそうです。

*過去記事はこちら データドッグ DDOG

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