旅行関連株は先週、波乱に見舞われました。そんな業界の中、エアビーアンドビー(ABNB)は、この嵐から避難する場所かもしれません。今は夏の旅行シーズンが始まったばかりですが、アメリカン航空グループ(AAL)は先週、業績ガイダンスを引き下げ、他の航空会社の株価も影響を受けました。しかし、エアビーアンドビーはほとんど無傷でした。この記事では、エアビーアンドビーの現在の状況と将来の見通しについて詳しく解説します。
航空業界の現状とエアビーアンドビーの強み
アメリカン航空グループ(AAL)の業績ガイダンスの引き下げは、航空業界全体に波及し、ブッキング・ホールディングス(BKNG)やカーニバル(CCL)の株価も下落しました。しかし、エアビーアンドビーの株価はわずか0.2%の下落にとどまりました。
エアビーアンドビーの株価が安定している理由として、同社の業績が堅調であることが挙げられます。第1四半期の決算発表後、株価は一時的に下落しましたが、これは第2四半期の売上高の伸びが9%に減速するとの見通しが影響しています。しかし、ウェドブッシュ証券のアナリスト、スコット・デビット氏は、第3四半期には売上高の伸びが再加速すると予想しています。
エアビーアンドビーの成長ポテンシャル
デビット氏は、エアビーアンドビーのウェブサイトへのトラフィックが増加していることを確認しており、これは夏の旅行需要が強いことを示しています。また、アメリカ国内の予約件数が2桁台前半で成長する可能性があると見ています。これにより、短期的な予想には上振れの可能性があり、投資家はこの機会を利用すべきだと指摘しています。
フューチャー・マーケット・インサイツ社によれば、エアビーアンドビーの短期レンタルの業界用語である「代替宿泊施設」への支出は、今後10年間で毎年2桁の伸びを示し、最終的には6000億ドルを超えると予想されています。特にアジアでの成長が顕著であり、エアビーアンドビーはこの市場でも重要な収益源を持っています。
長期的な見通し
ファクトセットによると、アナリストは2029年までにエアビーアンドビーの総予約件数が昨年の730億ドルから1400億ドルに増加すると予想しています。これに伴い、エアビーアンドビーのテイクレート、つまりトランザクションカットは、特にユーザーが外貨でスペースを予約した場合など、同社が追加のアクションに対して課金するため、増加すると予想されます。また、同社はスポンサード・リスティングを追加する可能性があり、これが売上の増加に寄与すると見られます。
アナリストは、同社が今後5年間で毎年2桁台前半の売上を伸ばし、2029年には200億ドル近くに達すると予測しています。マーケティング支出の増加は売上高の伸びよりも緩やかであるため、利益は2029年までに年間20%以上成長し、1株当たり11.25ドルになると見込まれています。
まとめ
エアビーアンドビーの株価は、今後12ヵ月間の予想利益の30.9倍で取引されています。この倍率を維持すれば、2028年には年率24%増の347ドルになる見込みで、これは145ドルあまりの現在の株価から2.4倍になることを意味します。たとえ成長見通しが鈍化しても、株価は毎年15%以上上昇する可能性があります。
旅行関連株が波乱に見舞われる中、エアビーアンドビーは安定した成長が期待できる投資先として注目されています。今後も強力な成長ポテンシャルを持つエアビーアンドビーは、投資家にとって魅力的な選択肢と言えます。
*過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB