アリスタの株価調整:AI市場の過熱に警鐘か?

アリスタ・ネットワークス(ANET)は、サーバー間の高速接続を提供するスイッチを販売しており、イーサネット・ネットワーキング技術が主要な事業内容です。このテクノロジーは主にデータセンターで広く利用されていますが、AIに関連した市場の高まりにより、同社の株価は最近大きな注目を集めています。しかし、ローゼンブラット証券のアナリスト、マイク・ジェノヴェーゼ氏によると、アリスタの株価はAIブームの過熱によって過大評価されている可能性があります。

格付けの大幅な引き下げ

ジェノヴェーゼ氏は、アリスタの株価が目標株価を30%近く上回っていることから、「買い」から「売り」へと評価を一段階以上下げるという、ウォール街では珍しいダブル・ダウングレードを実行しました。新しい目標株価は210ドルと、以前の330ドルから大幅に引き下げられています。この大胆な動きは、アリスタがAI市場での競争においてエヌビディア(NVDA)や他の大手企業に比べて不利であるという分析に基づいています。

アリスタのビジネスと市場環境

アリスタは、その高性能イーサネットスイッチによって、特にデータ集約型のアプリケーションであるAI技術の需要増加から恩恵を受けています。しかし、競争が激化している市場においては、エヌビディアのような競合他社が提供するイーサネット・スイッチング・ファブリックへのアクセスが、アリスタにとって大きな脅威となっています。

株価の現状と展望

アリスタの株価は4月12日、8.55%下落して271.22ドルと、10月下旬以来の1日で最大の下落率を記録しました。それでも株価の現在の水準は割高と見られています。現在の株価は今後12ヵ月間に予想される1株当たり利益の38.1倍となっており、過去5年間の平均倍率28.3倍に比べて高い水準です。

ただ、大方のアナリストの評価はポジティブです。エバコアISIのアナリスト、アミット・ダリヤナニ氏は、アリスタの強いビジネスファンダメンタルズとマイクロソフト(MSFT)やメタ・プラットフォームズ(META)との深い関係を評価し、「アウトパフォーム」の格付けと300ドルの目標株価を維持しています。アリスタ株を担当しているアナリストの65%近くがアリスタ株を「買い」と評価しており、2年前の58%から上昇しています。

投資家への影響

このような市場の不確実性の中で、投資家はアリスタの将来のポジションと、AI技術がもたらす潜在的なリスクとリターンを慎重に評価する必要があります。アナリストの意見が分かれる中、綿密なリサーチと市場動向の分析が必要とされます。

*過去記事「アリスタ・ネットワークス決算解析:期待を超えた業績でも株価はなぜ下落?

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