ネットフリックス（ NFLX）の株価が好調です。直近1ヶ月の上昇率は30％を超えており、年初来では67％上昇しています。キーバンク・キャピタル・マーケッツによる最近の分析では、ネットフリックスの価格設定戦略が成功の鍵であると強調されています。特に、同社がどのように顧客エンゲージメントとサービス価値をバランスさせているかが注目されています。
ネットフリックスの価格設定: エンゲージメントと価値のバランス
ネットフリックスは、プレミアムコンテンツと優れたユーザー体験を提供することで、その価格戦略をうまくコントロールしています。キーバンク・キャピタル・マーケッツのアナリスト、ジャスティン・パターソン氏は、ネットフリックス株の目標価格を510ドルから525ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の格付けを維持しています。同氏らの見解では、ネットフリックスは価格設定をうまく行っており、エンゲージメントの向上がこの成功のカギとなっています。
時間の経過とともに、ネットフリックスは、健全な視聴者数、解約のベースライン、プラットフォーム上の価値が高まったときに価格を引き上げるという、より一貫したアルゴリズムに落ち着いた。
とパターソン氏は同社の価格設定の方法を評価しています。
過去の教訓: DVDとストリーミングの分離
ネットフリックスの過去には、2011年のDVDとストリーミングサービスの分離による問題がありました。この決定は、サービスの価値低下と解約率の上昇を招き、価格設定におけるネガティブな事例として挙げられています。しかし、ネットフリックスはこの経験から学び、より一貫した価格設定アルゴリズムを採用しています。
他社の価格設定戦略
ネットフリックスの成功は、他の企業にも影響を与えています。例えば、スポティファイ・テクノロジー（SPOT）はネットフリックスのアプローチを踏襲しているようです。キーバンク・キャピタル・マーケッツのアナリストはこの動きを好感し、「オーバーウェイト」の格付けを維持し、目標株価を255ドルとしています。
一方で、マッチ・グループ（TinderやHingeの親会社）に関しては、アナリストらはTinderのサービスの劇的な値上げを合理化するのは難しいと判断しています。「成長への課題」を指摘し、売上高と金利・税金・減価償却前利益の予想を下方修正し、目標株価を56ドルから48ドルに引き下げましたが、「オーバーウェイト」の格付けは維持しています。
まとめ
ネットフリックスの価格戦略は、顧客エンゲージメントとサービスの価値を重視し、長期的な成功につながっています。このバランスの取り方は、他のビジネスの参考になるものです。ネットフリックスが提供するコンテンツの質と製品の向上が、これからの価格設定の成功を左右する鍵となる可能性があります。
＊過去記事はこちら ネットフリックス NFLX