アマゾン（AMZN）がソーシャルメディアプラットフォームとの提携を進めています。最近、メタ・プラットフォームズ（META）と契約を結び、FacebookやInstagramで直接商品を購入できる機能のテストを開始しました。さらに、Snapchatのオーナーであるスナップ（SNAP）とも同様の協定を締結しました。これらの動きは、TikTokの電子商取引市場での影響力拡大に対抗する戦略と見られています。
アマゾンとソーシャルメディアの提携：新しいEコマースの展開
アマゾンは、メタとの提携により、ユーザーがFacebookやInstagram上で直接製品を購入できるようにする機能を試験的に導入しました。さらに、スナップとの協定により、Snapchatユーザーもアプリ内でアマゾンの商品を購入できるようになります。
ソーシャルメディアとEコマースの統合
この提携は、ソーシャルメディアとEコマースの境界を曖昧にします。メタのFacebookは既に独自のマーケットプレイス・プラットフォームを持っていますが、アマゾンほどの影響力はありません。一方で、アマゾンはInstagramに似た「Inspire」という買い物可能なコンテンツフィードを持っています。これらの動きは、相互の強みを活用し、より強固なEコマースのエコシステムを構築する試みと言えます。
TikTokの脅威と市場への影響
TikTokは、独自の米国Eコマース・プラットフォームを立ち上げ、広告と販売を組み合わせることにより、増大する広告比重をより効率的に収益化する戦略を展開しています。
インサイダー・インテリジェンスによると、TikTokの純広告収入は2022年に98億9000万ドルに達したと推定されています。この数値は、メタの1130億ドルやアマゾンの377億ドルに比べて小さいものの、市場シェアの拡大は将来的に桁違いの売上と利益につながる可能性があります。
調査会社WARCによると、世界の広告費は2024年に1兆ドルを超え、8.2％の加速が見込まれています。この市場の成長を背景に、アマゾンやメタ、スナップは、TikTokに対抗するために独自の戦略を展開しているのです。
まとめ
アマゾンのソーシャルメディアプラットフォームとの提携は、Eコマース業界の新たな動きを示しています。TikTokの台頭に対抗し、新しい顧客層を引き付けるための戦略的な一手と言えます。また、これは米国のハイテク企業が、市場の変化に適応し、革新を続けていることの証でもあります。アマゾン、メタ、スナップの今後の動きは、Eコマース業界における競争と革新の新たな局面を開くものとなりそうです。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN