高配当のAT&Tは今のうちに買うべき? 第2四半期決算と今後の見通しについて深掘り

  • 2023年7月31日
  • 2023年7月31日
  • 配当株

7月26日、AT&T(T)は第2四半期の決算報告を行いました。売上高は前年比1%増の2,990億ドルで、EPSが3%減の0.63ドルとなっています。しかしながら、株価はほとんど動かず、年間で見ると約20%下落しています。

成長の鈍化

まず注目すべきは、AT&Tのワイヤレス部門の成長鈍化です。後払い電話契約者数の伸びが頭打ちになっていることが、売上の伸びを抑える要因となっています。ただし、競合のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)と比較すると、AT&Tは依然として成長率が高いことには変わりありません。

一方で、AT&Tとベライゾンの鉛被覆銅ケーブルについて、その安全性と環境影響についての懸念が投資家の間で浮上しています。一部のアナリストは、近い将来にこれらの旧来のケーブルを交換するために何十億ドルもの費用を支払う可能性があると考えています。これらの問題が解決されるまで、AT&Tとベライゾンの株価は下押しを受け続ける可能性があります。

最後に、AT&Tのビジネス用ワイヤーライン収入は前年比約6%減の53億ドルとなりました。これは、レガシーの音声とデータサービスへの市場需要が枯渇したためです。Zoomのようなクラウドベースのサービスにより企業が通信オプションを効率化するにつれて、このビジネスは予見可能な未来でも弱い状態が続くと見られています。

成長の兆し

一方で、AT&Tのモビリティサービスの売上は前年比5%増の203億ドルと成長しています。これは高マージンのプランと国際ローミング料金の増加が契約者数の増加を補っている結果です。また、ファイバー事業も順調に成長を続け、消費者向けワイヤーライン収入が前年比2%増の33億ドルに達しています。

特筆すべきは、AT&Tが第2四半期に42億ドルのフリーキャッシュフロー(FCF)を生み出し、その年間目標の160億ドルの達成を再確認したことです。高い5Gとファイバーの費用がFCFを圧迫する中で、この目標達成は投資家によって好意的に受け止められると思われます。

そしてAT&Tは、3年間のコスト削減計画を20億ドル拡大することで、2023年末までに純負債対EBITDA比率を3に減らすと予想しています。この目標は、2025年末までにその比率を2.5に減らすという目標を維持することを可能にします。

今後の見通し

これらを踏まえて、AT&Tへの投資をどう考えるべきでしょうか?AT&Tの成長率は今後ともしばらくの間は緩やかに推移する可能性がありますが、2024年以降には安定した成長が見込まれ、その強みが最終的に弱点を補うと予想されます。

もしAT&Tの成長が確かなものであると考えるなら、AT&Tの株を購入して現在7.68%という高い配当利回りを享受し、長期的なターンアラウンドを待つのは良い選択かもしれません。低い評価と高い利回りが下値のリスクを軽減しており、投資家に安心感を与えています。

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