ペイパルの危機:アップルペイの台頭とCEO交代の波紋

ここ何年かペイパル(PYPL)はデジタル決済サービスのリーダーとして君臨してきました。しかし、その地位は、ライバルたちがシェアをどんどん奪っていく今、危うくなっています。特に急速に台頭しているのが、2014年にアップル(AAPL)が開始したアップル・ペイです。

デジタル決済市場でのペイパルの位置

ペイパルは依然として強力な存在感を保持していますが、そのリーダーシップは徐々に揺らぎ始めています。事実、その現状はペイパルの株価の動きによって顕著に現れています。今年、ペイパルの株価はわずか3%しか上昇していません。これは、同じく決済を手がけているブロック(SQ)の23%上昇や「今すぐ買って、後で払う」モデルを採用するアファーム(AFRM)の90%上昇、そしてアップル自体の株価が約50%上昇していることと比べると、明らかに見劣りします。

チェックアウトボタンの獲得競争

この市場の競争が激化する一因として、オンライン小売業者が決済会社と連携したチェックアウトボタンを提供する割合が増えていることが挙げられます。その数値は、過去4年間で83%から86%に増加しました。さらに、2つ以上のチェックアウトボタンを提供する小売業者の数は、2018年以降、27%から65%へと急増しています。これにより、決済方法の選択肢が増え、競争が激化しています。

このチェックアウトボタンの獲得競争は、特にマーケットリーダーであるペイパルにとっては大きなリスク要因になります。ペイパルは現在、小売店のウェブサイトの約80%にチェックアウトボタンを設置していますが、これは5年前とほぼ同じです。しかし、アップル・ペイはiOSアプリの80%で利用可能であるのに対し、ペイパルは44%であり、アップル・デバイスの広範な普及度を考えると、これはペイパルにとって大きな問題となっています。

アップル・ペイの台頭

アナリストのリサ・エリス氏は、「アップル・ペイの急速な台頭は、ペイパルが直面する唯一最大の競争上の脅威であり、ペイパルの新CEOが取り組むべき最も重要な課題である」と述べています。

ペイパルのCEO、ダン・シュルマン氏は今年末で退任予定であり、後任はまだ発表されていませんが、新たなリーダーが直面するであろうチャレンジとして、アップル・ペイとの競争が挙げられます。

今後の見通し:株価と決算

ペイパルの株価は現在、将来利益の13.9倍で取引されており、これは5年平均の32倍を大きく下回っています。その株価は過去2年間で75%下落し、最近では1株73ドル前後で取引されています。

しかし、その株価が低迷しているにもかかわらず、ファクトセットが調査したアナリストの68%が格付けを「買い」に相当すると評価しています。また、平均目標株価は89.99ドルで、直近の水準から23%の上昇の余地があることを示唆しています。

ペイパルは8月2日に四半期決算の発表を予定しており、投資家はその内容によって同社の今後の見通しを判断することができます。

*過去記事はこちら ペイパル PYPL

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