アップスタートの揺れる未来: 高金利とAI革命のはざまで

今年のアップスタート(UPST)の株価は、驚異的な成長を見せています。このAIを活用した融資プラットフォームの株価は、2023年になってから319%という驚きの伸びを記録しており、ナスダック総合指数を大きく上回っています。

この上昇はAIや景気回復への期待、そしてアップスタートの浮動株の38%が空売りされているショートスクイーズによるものであり、同社の業績が回復した結果ではありません。金利の上昇とともに業績は低迷しており、その将来については弱気派と強気派の意見が交錯しています。

アップスタートの課題:弱気派の視点

一部の投資家は、アップスタートのビジネスについて懸念を抱いています。その主な理由は、同社の成長が一時的に停止し、損失が増加していることです。2023年第1四半期の売上高は前年同期比で67%減少し、営業損失は1億3200万ドル(前年同期は3500万ドルの利益)に達しました。こうした逆転現象が2021年10月のピーク価格から86%も下落した株価の大きな要因となっています。

また、アップスタートが堅調な経済に依存していることも弱気派の視点から問題とされています。FRBの政策により金利が高騰し、これが同社の収益に影響を与えています。さらに、自社のバランスシートに保有するローンが増えていることも問題です。これらを総合すると、アップスタートは非常に循環的なビジネスモデルを持っていると言えます。

アップスタートの可能性:強気派の視点

一方で、アップスタートのAI技術は、膨大なデータを使って借り手を的確に分析することが可能で、デフォルト率を下げると主張しています。これは、貸し手にとって、市場を拡大し、収益機会を高める魅力的なツールと言えます。

強気派の投資家たちは、アップスタートの成長の可能性を高く評価しています。現在、同社のプラットフォームには99の貸出パートナーが登録しており、自動車ディーラーにもサービスを提供しています。さらに、メルセデスとアキュラといったトップブランドとの提携も進んでいます。

アップスタートの伸びしろはまた、その融資事業の多角化にも見られます。個人向けと自動車ローンの2つの融資商品を提供している現状から、住宅ローンや個人向けローンの市場にも目を向ける予定です。

アップスタートの未来:強気と弱気の交差点

アップスタートは、好景気の下で利益を上げることができるビジネスモデルを持っています。しかしその一方で、景気後退期にはそのビジネスモデルが試されることになります。強気派は、十分な時間があればアップスタートは成功すると主張しています。

これらを総合して考えると、アップスタートの未来は非常に興味深いものとなりそうです。業績が好調な時期には強烈な成長を見せる一方で、逆境の時にはその対応力が試されます。アップスタートが今後、成長し続けることができれば、安定した利益を上げる企業になることが期待されます。

*過去記事はこちら アップスタート UPST

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