グラフィックスチップの巨人、エヌビディア(NVDA)は、生成AIの広範な普及により株価が急上昇し、その価値を更に証明しました。5月25日には、その株価は24%も上昇しました。これは24日に公表された第1四半期決算が予想を上回ったことと、データセンター収益の急激な増加を伴うものでした。
「生成AIのパワーハウス、エヌビディア:予想を大幅に上回る売上見込みを示し株価は史上最高値を更新」
長年にわたるAI技術への投資により、エヌビディアはAIチップの主要メーカーとなりました。レイモンド・ジェームズのマネージングディレクターであるSrini Pajjuri氏によれば、その地位をすぐに失う可能性は低いとのことです。エヌビディアは10年以上にわたりこの市場に投資を行い、GPU供給者としてだけでなく、フルスタックソリューションを提供する企業として存在感を示しています。
エヌビディアのデータセンター事業の成果により、第1四半期にアナリストの予想を上回る売上を達成しました。これは前年同期の38億ドルを上回る数字でした。一方で、消費者はパンデミック時に購入したPCやグラフィックカードの支出を控えており、エヌビディアのゲーム事業は苦境に立たされています。
しかし、ウォール街が注目したのはエヌビディアの第2四半期予測で、同社はプラスマイナス2%の誤差で110億ドルの売上を見込んでいます。これは、ウォール街の予想72億ドルを大幅に上回る見通しです。「私たちは、ガイダンスを5%上回れば株価が現状維持で十分だと考えていましたが、実際にはガイダンスを50%も上回る見通しを示しています」とPajjuri氏は語っています。
AIのブームがエヌビディアに恩恵をもたらしているものの、これは永遠に続くわけではないともアナリストは見ています。Pajjuri氏によれば、長年のライバルであるAMDが市場シェアを獲得し始める可能性があり、また独自のカスタムチップを設計する企業がエヌビディアに競争を挑む可能性もあります。
「エヌビディアのチップは現在、1個あたり25,000ドルで売られています。しかし、自社でチップを設計することで、大幅にコストを削減できる可能性があります」と同氏は指摘しています。
こうしたことも意識されたのでしょうか。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価も5月25日に急騰、終値は11.11%高の120.3ドルとなっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA