不安定な経済環境の今、おすすめの6つの配当銘柄

現在の不安定な経済情勢において効力のある投資法は魅力的な配当利回りの銘柄を保有することです。

配当株はディフェンシブなだけでなく、オフェンシブでもあります。Prudent Speculator誌の編集者であるジョン・バッキンガム氏は、金利が上昇しても、利回り重視の銘柄は高いパフォーマンスを発揮していることを指摘しています。利回りの高い銘柄は、金利が上昇してもパフォーマンスが高く、またボラティリティも低く、「より低いリスクでより高いリターンを得ることができる」と同氏は述べています。

歴史的にインフレを抑えるには何年もかかり、インフレと金利が持続的に上昇することが多いため、このような状況は、配当株に有利であるとCabot Dividend Investor編集長のトム・ハッチンソン氏は述べています。1940年代と1970年代の高金利とインフレが続いた時期には、配当金がそれぞれの市場リターンの62%と73%に寄与したと同氏は述べています。

さらに、配当金は長期にわたって増加する傾向があります。健全なバランスシートに裏打ちされた堅実なビジネスを展開する企業は、継続的に配当を増やしています。有名なのがウォーレン・バフェット氏によるコカ・コーラ・コンソリデーティッド(COKE)への投資です。

同氏が1994年に4億株のコカ・コーラ株を購入したときの年間配当金は7500万ドルでしたが、2022年には、それが7億400万ドルに増えました。この年間7億400万ドルの利回りは、バフェット氏のポジションの元手(13億ドル)に対して54%の利回りとなっています。

バンク・オブ・アメリカのアナリストは、配当銘柄をポートフォリオに加えるべき理由として、他にも4つ挙げています。

第一に、S&P500の配当性向が歴史的な低水準に近いことで、これは、企業が増配する余地が大きいことを意味します。
第二に、一株当たり配当金の伸びは、過去2年間、利益の伸びを約40%も上回っていることです。
第三に、人々は長生きするようになっており、退職や老後に備えて配当株を購入する人が増え、長く保有するようになると予想されることです。
そして、最後に、アクティブ運用のうち2010年には10%であったインカムファンドの割合が、現在40%を占めるに至っていることで、このため、配当株への需要が高まり、配当株の下支えとなっているそうです。

そんな配当株人気の中、配当株の専門家は以下の6つの銘柄を好んでいます。

モルガン・スタンレー(MS)

ニュースレター「Investment Quality Trends」は、割安な配当銘柄を見つけるために、配当利回りをピーク時の水準に近づけるために十分な下落をした銘柄を選んでいますが、モルガン・スタンレーはその条件に当てはまります。ピーク時の利回りは3.55%ですが、3月17日現在の株価では3.63%となっており、それを超えています。

同行の配当性向は45%であり、これは他の企業と比べると低いものです。この銀行には、配当を増やし続けるための十分な余地があり、過去12年間、平均して年10%の増配を続けています。

ロウズ(LOW)

米国の大手ホームセンターチェーン企業であるロウズの株価は3月17日現在で配当利回りを2.11%にするほど弱くなっています。しかし、同社には過去12年間、平均10%の増配を続けてきた歴史があり、配当性向も41%と低いことからから、ロウズには増配を続ける余地があると、Investment Quality Trendsは指摘しています。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)

米国大手の生物医薬品メーカーであるブリストル・マイヤーズ・スクイブをPrudent Speculator誌のバッキンガム氏は推奨しています。

同社は2028年に癌治療薬オプジーボと血栓治療薬エリキスの特許を喪失することによる圧力を受けており、同氏はその影響が少なからずあると考えていますが、同社が心筋症に対するカムジオス、メラノーマに対するオプドゥアラグ、多発性硬化症に対するゼポシア、乾癬に対するソティクツなど、潜在的治療薬の強力なパイプラインを有していることを評価しています。

株価は将来収益予測の9倍以下で取引されており、歴史的平均を大きく下回っています。同氏は目標株価を102ドルに設定しており、これは3月17日の終値66.53ドルから53%の上昇の余地があることを示しています。同社は2009年以降増配を続けており、現在の配当利回りは3.38%となっています。

ネットアップ(NTAP)

バッキンガム氏は、クラウドとストレージサービスを提供するこのソフトウェア企業にも好意的です。堅実なバランスシートが配当を支えており、ネットアップの現在の株価は歴史的に見ても、そして同業他社に比べても割安に見えると同氏は述べています。バッキンガム氏は、クラウドサービスに対する継続的な需要が成長をサポートすると予想しており、目標株価を96ドルに設定しています。これは3月17日の終値61.47ドルから56%の上昇の余地があることを示しています。現在の配当利回りは3.27%となっています。

ワンオーク(OKE)

Cabot Dividend Investor編集長のハッチンソン氏は、米国のエネルギー会社ワンオークを天然ガスパイプラインの需要が着実に伸びていることから恩恵を受ける銘柄として評価しています。同社の1株当たり利益は第4四半期に28%、2022年全体では15%増加しています。現在の配当利回りは6.27%となっています。

ネクステラ・エナジー(NEE)

ハッチンソン氏は、再生可能エネルギー事業がようやく黒字化したこのフロリダ州の電力会社も推奨しています。同社株は2022年第4四半期の利益成長が堅調であったにもかかわらず、年初来で10%下落していますが、The Washington Serviceによると、そんな中でも同社のインサイダーは、70ドルから75.44ドルの範囲で170万ドル相当の株式を購入したそうです。株価は3月17日現在で75.67ドル、配当利回りは2.48%となっています。

*過去記事「配当と成長の2つで大きなリターンが期待できるネクステラ・エナジー

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