配当貴族入りのトップ候補、トラクター・サプライ

配当株貴族入り候補の中で5年間の配当CAGRが最も高い銘柄に輝いたトラクター・サプライ(TSCO)は長期に渡って投資家に富をもたらしてくれる、配当と成長の両方で魅力的な銘柄です。
これから配当貴族入りする可能性のある20の高配当銘柄

トラクター・サプライは「トラクター・サプライ・カンパニー」と「デルズ・ファーム・サプライ」の名前で農業、牧場用機器、機械の小売店を展開。ウェブサイト「TractorSupply.com」を通じてオンライン販売も手掛ける。馬、家畜、ペットの飼料、薬剤、手入れ用品のほか、各種工具、トラクター、農業機器、園芸用品、作業服・靴などを販売。

出所:Yahoo! JAPAN ファイナンス

トラクター・サプライは、農場・牧場関連製品を扱う米国最大級の小売店舗を展開する企業である。レクリエーション向けの農場や牧場を対象として製品を販売しており、商業・工業用農業へのエクスポージャーはほとんどない。現在、49州で社名を冠するTractor Supplyバナーで2,066店舗を運営し、また、Petsense by Tractor Supplyブランドで180店舗、Orscheln Farm and Homeブランドで81店舗(Tractor Supplyバナーに変更予定)を展開している。店舗は、主に都市の中心部から離れた街や農村集落に位置する。2021年度の商品別売上高構成比率は、家畜・ペット製品が47%、ハードウェア・工具・台車が21%、季節のギフト商品・玩具が21%となっている。

出所:マネックス証券銘柄スカウター

COVID-19のパンデミックは、社会に多くの影響を与えました。最近の調査では、米国人の66%が在宅勤務が仕事の選択肢になるのであれば、地方の家や分譲地に引っ越すことを検討すると回答しています。このことは、田舎暮らしのライフスタイル商品の需要が大きく高まることを示唆しています。

トラクター・サプライは80年以上の歴史を持ち、米国49州でトラクター・サプライとペッツセンス(=小箱のペット専門店)ブランドで2,200店以上を展開しています。これは、同社が田舎暮らしのライフスタイル分野で最大のプレーヤーであることを示しています。

2022年12月31日に終了した第4四半期における同社の売上高40億ドルは、前年同期比20.7%増という驚異的な成長率を記録しました。第4四半期が通常の期よりも1週間長かったことにより売上高が6.8%押し上げられたことを考慮しても、この成長率は前年に記録した15.3%とほぼ同じでした。

同社の第4四半期の既存店売上高は8.6%増加しました。買い物客からの旺盛な需要のおかげで、同社はコスト上昇を消費者に転嫁することができました。この結果、同四半期の既存店平均チケットの伸び率は6.3%となりました。

また、既存店平均取扱高が前年同期比で2.3%増加したことは、消費者が価格上昇に動揺していないことを証明しました。トラクター・サプライの39店舗とペッツセンスの6店舗の新規出店とともに、この四半期に売上高が急速に増加しています。

第4四半期の希薄化後1株当たり利益(EPS)は、前年同期比25.9%増の2.43ドルとなりました。商品売上原価の伸び率(20.2%)が売上高よりも低かったため、トラクター・サプライの第4四半期のネットマージンは10ベーシスポイント上昇し、6.8%となりました。自社株買いにより発行済み株式数が3.1%減少したことと相まって、当四半期の希薄化後EPSの伸びが純売上高の伸びを上回っています。

今後の出店と田舎暮らし市場の拡大により、アナリストはトラクター・サプライの希薄化後EPSが今後5年間、年率10.1%のペースで複利化すると見ています。これは、専門店業界の平均的な利益成長率である10%をわずかに上回る水準です。

このようなビジネスの勢いを受けて、トラクター・サプライは先月、12%の増配を発表しました。これで14年連続の増配となる今回の増配は、「株主への資本還元を行いながら、将来の成長のための投資を続けている当社のLife Out Here戦略と強力なキャッシュフロー創出に対する取締役会の自信を示すものです」と、トラクター・サプライの会長Cynthia Jamison氏は述べています。

同社の四半期配当は近年大きな伸びを見せており、2019年の0.31ドルから現在の1.03ドルへと、わずか4年で3倍以上の上昇を遂げています。

トラクター・サプライの配当利回りは、S&P500指数の利回りと同程度ですが、同社は将来にわたって増配を実現する余裕をもった立場にあると思われます。

というのは、トラクター・サプライの配当性向は2022年において37.9%に過ぎないからで、このような管理可能な配当性向は、同社が買収や、自社株買いを実行し、負債を削減するのに十分な資本を保有できていることを意味します。そのため、トラクター・サプライは当分の間、毎年10%前後の増配を行う力を十分に有していると見られています。

トラクター・サプライの配当利回りは、他の高配当銘柄と比べると食欲をそそるものではないかもしれませんが、利益の24倍という妥当な株価評価と同社の強力なファンダメンタルズと合わせて考えると、非常に魅力的な配当成長株となっています。

*過去記事はこちら 配当株

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