マイクロンが半導体市場の落ち込みを示唆するガイダンスを発表

マイクロン・テクノロジー(MU)は9月29日、四半期決算を発表しました。9月1日に終了した第4四半期の売上高は66億4000万ドルで、前年同期比21%減、5月期比では23%減とな理ました。同社は8月に投資家向けに発表していた68億~76億ドルの売上高の予想を下回る可能性があると、警告していました。

非GAAPベースの利益は1株当たり1.45ドルで、アナリストのコンセンサス予想の1.30ドルを上回りましたが、前年同期の2.42ドルからは減少しています。

非GAAP基準の売上総利益率は、第3四半期の47.4%および前年同期の47.9%から40.3%に低下しました。一般に公正妥当と認められた会計原則にもとづくと、1株当り利益は前年同期の2.39ドルから1.35ドルに減少しました。

発表された声明の中でマイクロンは、この四半期の業績が「急速に弱まる消費者需要と、すべてのエンドマーケットにおける顧客の大幅な在庫調整」の影響を受けたと述べています。

また、「クラウドの最終需要は依然として健全である」としながらも、平均販売価格の下落が主な原因で、データセンターの売上が前四半期比、前年同期比ともに減少したと述べています。

PC関連の需要は、PCの販売台数の減少や顧客の在庫削減の動きにより、前四半期比および前年同期比ともに減少しました。また、モバイル機器向けチップの売上が低迷したほか、景気低迷による産業用需要の減少につ いても言及しています。ただ、自動車向けは過去最高の売上を記録したとのことです。

NANDの売上高は前年同期比14%減、DRAMの売上高は21%減となったと報告されています。

同社は、「短期的な供給環境の弱体化」を考慮し、2023年度のウェーハファブの設備投資を2022年度に対してほぼ50%削減するなど、供給増加を抑える方向に動いているとのことです。2023年度全体の設備投資額は2022年度比30%減の80億ドルになると見ています。

2022年度通期で、マイクロンの売上高は前年の277億ドルから308億ドルに、非GAAPベースの利益は6.06ドルから8.35ドルに増加しました。

11月期の売上高は42億5000万ドル、粗利益率は26%と予測しています。非GAAPベースの利益は1株当たり4セントで、プラスマイナス10セントと予想しています。ウォール街のコンセンサスでは、売上高は56億ドル、調整後の利益は1株当たり64セントと見られていました。

CEOのSanjay Mehrotr氏はアナリストとの電話会議で「様々な業界の顧客が、未使用のチップの在庫を整理するために注文を減らしており、業界は厳しい価格環境にある」と述べましたが、来年5月に始まる会計年度後半には状況が改善されると予想しています。

来期のガイダンスが予想より大きく落ち込んだことを反映して株価は時間外取引で一時4%以上下落しましたが、その後、経営陣が同社が行っている迅速な対応について説明すると、反発に転じ持ち直しています。

*過去記事「マイクロンの押し目買いをJPモルガンが推奨

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